週刊あの馬は今!?


第66回:マンハッタンカフェ
■牡 1998/3/5生れ
■血統
父サンデーサイレンス
母サトルチェンジ(LawSociety)
半兄エアスマップ(オールカマー)

■戦績
01年1月:東京/新馬戦:3着
01年2月:東京/新馬戦:1着
01年3月:中山/弥生賞:4着
01年4月:阪神/アザレア賞:11着
01年8月:札幌/富良野特別:1着
01年8月:札幌/阿寒湖特別:1着
01年9月:中山/セントライト記念:4着
01年10月:京都/菊花賞:1着
01年12月:中山/有馬記念:1着
02年3月:中山/日経賞:6着
02年4月:京都/天皇賞(春):1着
02年10月:仏ロンシャン/凱旋門賞:13着

通算:12戦6勝(重賞3勝)

※馬齢は当時の表記です。

半兄にオールカマー勝ちのエアスマップがいる血統。大成はしなかったが、弟妹にニューヨークカフェ、マンハッタンフィズという素質馬もいた。

デビューはやや遅れ、年が明けて3歳1月の東京開催。1番人気は藤沢和-岡部ラインの良血トレジャーでマンハッタンカフェは蛯名騎手を背に2番人気だった。中団から鋭い脚で前に迫ったが、好位から先に抜け出したトレジャーに0.2秒差及ばず3着に敗れた。
折り返しの新馬戦では単勝1.7倍の人気に応え1着。2戦目で勝ち上がった。

その後、同馬の素質を高くかっていた陣営はG2・弥生賞に出走させる。
しかし、無敗馬アグネスタキオンの圧倒的な走りの前になすすべなく4着に敗退。皐月賞への出走権を逃す。

次走のアザレア賞では河内騎手が騎乗し2番人気に支持されたものの11着に敗れ、早めの休養に入った。

復帰戦は夏の札幌開催。
500万特別・富良野特別を1番人気に応え快勝すると、続く1000万特別・阿寒湖特別も1.8倍の圧倒的人気に応え2連勝を果たした。

ラスト1冠に向けて出走したセントライト記念では3番人気ながらシンコウカリドの4着に敗退。

前哨戦で敗れたマンハッタンカフェは本番の菊花賞では6番人気と評価を落としていた。
レースは中団を追走。単勝100倍を超える伏兵マイネルデスポットが大逃げを打ち、大波乱かと思われたゴール寸前、上がり34.0秒の脚で追い込んだマンハッタンカフェが1/2馬身差差し切って優勝。G1初制覇を遂げた。

ジャパンカップは見送り、その後は暮れの有馬記念へ。テイエムオペラオー、メイショウドトウが1,2番人気でマンハッタンカフェは3番人気。
2頭よりも後ろの中団を追走し、直線伸びると、当時有馬記念では最速となる上がり3F33.9秒の末脚で一気に差し切った。2着に13番人気アメリカンボスが入り、同年アメリカで起きた同時多発テロのサイン馬券として話題になった。
この年はダービー馬ジャングルポケットがジャパンカップも制しており、マンハッタンカフェはG1・2勝を挙げたもののJRA賞受賞はならなかった。

古馬となっての始動戦は3月の日経賞。8頭立てとなり単勝1.2倍の圧倒的1番人気に支持された。しかし、蹄の弱さもあり、中団からいいところなく6着に敗れてしまう。

次走の天皇賞(春)では2つ上の菊花賞馬ナリタトップロード、同期のダービー馬ジャングルポケットと並び3強対決となった。3頭が同じような位置からのレースとなり、直線ナリタトップロードを競り落とすと、外から差をつめたジャングルポケットをクビ差抑えて優勝。見事G1・3勝目を挙げた。

秋には欧州へ遠征。仏ロンシャン競馬場で行われた凱旋門賞に出走した。
G1・3勝馬の出走とあって注目を集めたが、13着に敗退。さらにはレース後、屈腱炎が判明し、現役を引退することになった。

■引退後
引退後は社台スタリオンステーションで種牡馬入り。
父サンデーサイレンスに似た漆黒の馬体は後継種牡馬として当初から注目を集め、初年度から200頭を超える種付け頭数を記録した。
初年度産駒は2006年にデビュー。クラシックでの活躍馬は出なかったものの、アーバニティ(オーシャンS)、セラフィックロンプ(愛知杯)、マンハッタンスカイ(福島記念)の重賞ウィナーを排出した。

先に父に重賞初勝利をささげたのは2年目産駒のオリエンタルロックで札幌2歳Sだった。

その後も活躍馬を数多く出した。
3年目となる06年産からは秋華賞を制し、ドバイのマクトゥームチャレンジラウンド3も勝ったレッドディザイア、NHKマイルCを制したジョーカプチーノのG1馬を排出。
4年目産駒では凱旋門賞にも出走した春の天皇賞馬ヒルノダムールらが活躍した。

サイアーランキングでは08年に9位に入ると、翌09年にはリーディングを獲得した。
昨年はリーディング5位だったものの、2010年は再び200頭超えとなる207頭、今年も202頭の繁殖を集める人気を誇っている。

2011.10.18