週刊あの馬は今!?


第90回:スティンガー
■牡 1996/5/15生れ
■血統
父サンデーサイレンス
母レガシーオブストレングス(Affirmed)
全姉サイレントハピネス(ローズS,4歳牝馬特別)
半弟アーバニティ(オーシャンS)
藤沢和雄厩舎

■戦績
98年11月:東京/新馬戦:1着
98年11月:東京/赤松賞:1着
98年12月:阪神/阪神3歳牝馬S:1着
99年4月:阪神/桜花賞:12着
99年5月:東京/4歳牝馬特別:1着
99年5月:東京/オークス:4着
99年10月:東京/毎日王冠:4着
99年10月:東京/天皇賞(秋):4着
99年11月:東京/JC:14着
00年1月:京都/京都牝馬特別:1着
00年5月:東京/京王杯SC:1着
00年6月:東京/安田記念:4着
00年12月:阪神/阪神牝馬特別:10着
01年1月:東京/東京新聞杯:3着
01年5月:東京/京王杯SC:1着
01年6月:東京/安田記念:15着
01年8月:新潟/関屋記念:5着
01年8月:札幌/札幌記念:7着
01年12月:阪神/阪神牝馬S:3着
02年1月:東京/東京新聞杯:6着
02年3月:中京/高松宮記念:3着

通算21戦7勝(重賞5勝)

※01年から馬齢表記変更のため本文表記は旧年齢にて統一します。

デビューは3歳11月の東京。
岡部騎手鞍上で単勝1.9倍と圧倒的1番人気に推されると、中団から差し切って優勝。人気に応えてデビュー勝ちを果たした。

続く赤松賞も1番人気に応えて連勝し、G1・阪神3歳牝馬Sへ。
横山典騎手に乗り替り、ゴッドインチーフ、コウエイロマンに次ぐ3番人気での出走。
後方からレースを進め、直線末脚を伸ばすと、2着エイシンレマーズに2馬身差をつけ優勝。3連勝でG1制覇。
デビューからわずか1ヶ月弱での偉業であった。
この勝利で、その年の最優秀3歳牝馬に選出された。

翌年はトライアルを挟まずに桜花賞へ直行。
鞍上岡部騎手にとっても桜花賞初制覇がかかった一戦となった。
ぶっつけ本番となったが、単勝3.1倍の1番人気に支持された。
しかしスタートで遅れると、後方から直線もまったく伸びず12着に大敗。初黒星を喫した。

思わぬ大敗となり、次走はオークストライアル・4歳牝馬特別に出走。
桜花賞2着フサイチエアデールと人気を分けたが、スティンガーがクビ差先着し優勝し、オークスでの反撃態勢が整った。

続くオークスは桜花賞3着のトゥザヴィクトリーが1番人気でスティンガーは2番人気。
後方からレースを進め、直線よく差を詰めたが、さらに早い上がりで差し切ったウメノファイバーからハナ+クビ+1/2馬身差の4着に敗れた。

春のクラシックタイトルをとることができず、秋に備え夏場は休養に入った。

通常牝馬は秋華賞を目標にされるが、藤沢厩舎らしく東京競馬場にこだわり、秋は毎日王冠から天皇賞・秋の路線が組まれた。
歴戦の古馬牡馬相手となった毎日王冠。
8番人気と評価は低かったが、2番手から直線も粘り、勝ち馬グラスワンダーから0.2秒差の4着に好走。

続く天皇賞・秋でも8番人気とまたしても人気はなかったが、勝ち馬スペシャルウィークから0.3秒差の4着に入った。

その後はジャパンカップにも挑戦したが、さすがに相手が強かったのと距離延長もあり14着に終わった。

古馬となったスティンガーは1月の京都牝馬特別にペリエ騎手とのコンビで出走。単勝1.7倍の1番人気に応え優勝すると、その後は一息入れられ5月の京王杯SCへ。

グラスワンダー、ブラックホーク、キングヘイローなど強敵相手となった。
武豊騎手とのコンビで5番人気で出走したスティンガー。直線入口まで後方2番手という位置取りだったが、上がり3F33.6秒の末脚を爆発させ、2着ブラックホークに1.3/4馬身差をつけ差し切った。

次走安田記念では田中勝騎手とのコンビで1番人気に推された。しかし、中団からじりじりと伸びたものの、フェアリーキングプローンから0.3秒差の4着に敗れた。

その後は半年の休養へ。
12月の阪神牝馬特別で復帰するが、10着に大敗。

翌年は東京新聞杯で始動し、3着。
その後は3ヶ月半空けて前年制した京王杯SCへ。
ブラックホークに次ぐ2番人気での出走だったが、直線鋭く伸びて2着スカイアンドリュウをクビ差差し切って優勝。京王杯SC連覇となった。

その後、昨年のリベンジをはかった安田記念で15着に大敗すると、夏場も休みなく使われ、関屋記念に出走。
同厩舎のマグナーテンから0.5秒差の5着に敗れると、続く札幌記念もエアエミネムの7着に敗退した。

一息入れられ暮れの阪神牝馬Sに出走するが、3着。

この年は1勝を挙げるにとどまった。

翌年は前年同様東京新聞杯に出走。
不良馬場で自慢の末脚が発揮できず6着に敗れると、その後は引退レースとなる高松宮記念へと向かった。
ラストランがデビュー以来はじめてとなるスプリント戦となったが4番人気に支持された。
序盤はスピードについて行けず最後方を追走。
逃げたショウナンカンプがそのまま後続に3馬身半差をつけ圧勝し、2着にも2番手を追走したアドマイヤコジーンが残る展開だったが、最後方から追い込んだスティンガーは強烈な決め手でさらにクビ差の3着に食い込む好走を見せた。

G1タイトルは阪神3歳牝馬Sの1勝だったが、その末脚は牡馬勝りのものだった。

■引退後
引退後は社台ファームで繁殖入り。
初年度、2年目とフレンチデピュティが交配された。
その後はアメリカへ渡り3年目はキングマンボと交配。
翌年はフサイチペガサスを種付けし、日本に帰国予定だったが不受胎に終わったため、翌年スマーティージョーンズと種付けされ日本へ帰国した。

期待の高さとは裏腹に産駒は結果を出せず、3番仔のタイガーファングが中央で2勝を挙げたのが最高であった。

しかし、09年生れのサトノギャラント(父シンボリクリスエス)が昨年デビューし活躍を見せている。
2戦目で勝ち上がると、ベゴニア賞では母譲りの末脚で優勝。
皐月賞にも出走した(6着)。
ダービー出走をかけた青葉賞では13着に終わってしまったが、今後の活躍が期待される。

2010年産まれで今年2歳となる牝馬も父シンボリクリスエスで、11年産まれの牡馬は父チチカステナンゴとなっている。

2012.5.7
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