週刊あの馬は今!?


第50回:タニノギムレット
■牡 1999/05/04生れ
■血統
父ブライアンズタイム
母タニノクリスタル(クリスタルパレス)

■戦績
01年8月:札幌/新馬戦:2着
01年12月:阪神/未勝利:1着
02年1月:京都/シンザン記念:1着
02年2月:阪神/アーリントンC:1着
02年3月:中山/スプリングS:1着
02年4月:中山/皐月賞:3着
02年5月:東京/NHKマイルC:3着
02年5月:東京/ダービー:1着

通算:8戦5勝(重賞4勝)

デビュー戦は8月の札幌ダート1000m。横山典騎手を鞍上に、前評判の高さから単勝2.1倍の1番人気での出走だった。中団から鋭く末脚を伸ばしたが、逃げたレアパールを捕らえきることができず、2着に敗れる。

その後は休養に充てられ、暮れの阪神・芝1600mで復帰。四位騎手を背に3番人気で出走すると、直線豪快に伸び、2着ハマノホークに7馬身差をつける圧勝で初勝利を飾った。

3戦目は重賞・シンザン記念に挑戦。鞍上に武豊騎手を迎えると、単勝2.2倍の1番人気に推された。レースは中団追走から連れて上がったチアズシュタルクを半馬身差抑えて優勝。重賞初制覇を飾る。

その後はアーリントンCへ。単勝1.3倍の断然人気に推されると、上がり3F34.1秒の鋭い末脚を繰り出し、2着ホーマンウイナーに3馬身半差をつけ圧勝。マイル重賞を2連勝とした。

続くスプリングSでは武豊騎手の落馬負傷により四位騎手に乗り替わり。ここでも単勝1.3倍の1番人気に推される。これまでよりも後方からのレースとなるも、直線大外を突いて豪快に伸びると、2着テレグノシスをクビ差抑えて優勝。重賞3連勝を飾り、皐月賞の大本命となった。

迎えた皐月賞。単勝2.6倍の1番人気で出走。以下、ローマンエンパイア、モノポライザーが続いた。後方追走から最終コーナー、大外を回って追い上げるも、距離ロスが響き15番人気ノーリーズン、8番人気タイガーカフェを捕らえ切れず3着に敗れた。

その後はダービーへ向かうと見られていたが、骨折からカムバックした武豊騎手を鞍上に、NHKマイルCに参戦。単勝1.5倍の1番人気で出走。後方追走から直線追い出しにかかるが、前を行くテレグノシスがふらつき進路を塞がれる不利に合い、そのテレグノシスから0.4秒差の3着に敗退。G1で2戦続けて消化不良のレースが続いた。

そして迎えた日本ダービー。2連敗中であったものの、負けて強しのレース内容からここでも単勝2.6倍の1番人気に支持された。以下ノーリーズン、シンボリクリスエスが続いた。いつも通り後方からレースを進めると、上がり3F34.7秒の豪快な末脚を繰り出すと、抜け出しにかかったシンボリクリスエスを1馬身差交わして優勝。ダービーの晴れ舞台で本領を発揮し、3度目の挑戦でG1制覇を飾った。
この勝利で武豊騎手は史上初のダービー3勝目を挙げた。

その後は休養に入り、秋は神戸新聞杯から菊花賞を予定していたが、調教中に屈腱炎を発症。現役引退、種牡馬入りが決まった。

■引退後
引退後は、総額16億2000万円のシンジケートが組まれ、社台スタリオンステーションで種牡馬入り。
06年にデビューした初年度産駒からウオッカを輩出。同年の阪神ジュベナイルフィリーズを制すると、翌年には牝馬として64年ぶりとなる日本ダービー制覇を達成。史上初となる父娘でのダービー制覇の偉業を成し遂げた。
ウオッカの活躍もあり、07年には240頭、08年には191頭に種付けを行うなど、種付け頭数は常に100頭を超える人気となっている。2010年も126頭へ種付けを行っている。
初年度産駒からはウオッカのほか、ゴールドアグリ(新潟2歳S)、ヒラボクロイヤル(青葉賞)、アブソリュート(東京新聞杯、富士S)、ニシノブルームーン(中山牝馬S)を輩出。
2年目の産駒からはスマイルジャック(ダービー2着、スプリングS、東京新聞杯他)、3年目の産駒からもセイクリッドバレー(新潟大賞典)を出した。
初年度ほどの勢いはなくなってきたものの、今年のクラシックでは京都新聞杯を制したクレスコグランドがダービーに出走を予定している。