週刊あの馬は今!?


第52回:ダイワメジャー
■牡 2001/04/08生れ
■血統
父サンデーサイレンス
母スカーレットブーケ(ノーザンテースト)
半妹ダイワスカーレット(有馬記念,エリザベス女王杯などG1・4勝)
全姉ダイワルージュ(新潟3歳S)
半姉スカーレットメール(チューリップ賞2着)

■戦績
03年12月:中山/新馬:2着
04年1月:中山/未勝利戦:1着
04年2月:中山/500万下:4着
04年3月:中山/スプリングS:3着
04年4月:中山/皐月賞:1着
04年5月:東京/ダービー:6着
04年9月:中山/オールカマー:9着
04年10月:東京/天皇賞(秋):17着
05年4月:中山/ダービー卿CT:1着
05年6月:東京/安田記念:8着
05年7月:新潟/関屋記念:2着
05年10月:東京/毎日王冠:5着
05年11月:京都/マイルCS:2着
06年2月:中山/中山記念:2着
06年4月:阪神/マイラーズC:1着
06年6月:東京/安田記念:4着
06年6月:京都/宝塚記念:4着
06年10月:東京/毎日王冠:1着
06年10月:東京/天皇賞(秋):1着
06年11月:京都/マイルCS:1着
06年12月:中山/有馬記念:3着
07年3月:ドバイ/ドバイデューティフリー:3着
07年6月:東京/安田記念:1着
07年6月:阪神/宝塚記念:12着
07年10月:東京/毎日王冠:3着
07年10月:東京/天皇賞(秋):9着
07年11月:京都/マイルCS:1着
07年12月:中山/有馬記念:3着

通算:28戦9勝(重賞8勝)

G1・4勝のダイワスカーレットをはじめ、兄妹に活躍馬がずらりとならぶ良血馬。上の3頭以外にもスリリングサンデー、グロリアスサンデー、レッドバトラー、ブーケフレグランスと、OPで活躍した兄妹がいる。
母スカーレットブーケ自身も現役時代にエリザベス女王杯3着、中山牝馬S1着などの活躍を見せた。

デビューは暮れの中山開催。菊沢騎手を背に1番人気に支持される。パドック周回中に腹痛により座り込んでしまう面を見せるなど、心配されたが、モンスターロードのクビ差2着に入った。
2戦目の未勝利戦では1度使われたことで本領を発揮。ダート1800m戦を2着フサイチバルドルに9馬身差をつける圧勝で初勝利を挙げた。

3歳も2月に入り、クラシックへ向けて落とすことのできない3戦目の500万条件戦だったが、好位から伸びあぐね4着に敗退する。

その後がけっぷちで挑んだスプリングSでは11番人気の低評価だったが、2番手から直線粘り腰を見せ、ブラックタイドから0.2秒差の3着に入り、皐月賞への優先出走件を獲得した。

迎えた皐月賞では鞍上にデムーロ騎手を配しての出走。道営コスモバルクが人気を集める中、ダイワメジャーは10番人気だった。
メイショウボーラーが先手を奪うと、ダイワメジャーは2番手を追走。直線に向き一気に抜け出すと、中団から必至に差を詰めたコスモバルクに1.1/4馬身差をつけゴール。1勝馬ながら堂々としたレース内容でG1初制覇を遂げた。

2冠を狙ったダービーでは距離不安説もあり、4番人気。好位からレースを進めるも、勝ったキングカメハメハから1.0秒離された6着に終わる。

秋は菊花賞ではなく、距離適性を考慮し天皇賞(秋)を目標にされた。
夏場を休養に充て、柴田善騎手との新コンビでオールカマーから始動。しかし、ここを9頭立て9着に敗退。
続く天皇賞(秋)では勝ったゼンノロブロイから4.0秒も離された最下位17着に敗れる。
2戦続けての惨敗だったが、春先から兆候の出ていたノド鳴りが影響したものだった。
天皇賞後はノドの手術を受けるため、休養に入る。

復帰戦は翌05年4月のダービー卿CT。半年ぶり、手術明けの実戦だったが、好位から抜け出すと、2着チアズメッセージに2馬身差をつけて快勝した。勝ちタイムも1:32.3と好タイムだった。

復帰戦を白星で飾ったダイワメジャーはその後、G1・安田記念へと進んだ。
2番人気での出走だったが、好位から伸び切れずにアサクサデンエンから0.5秒差の8着に終わる。

その後は夏の新潟へ遠征。横山典騎手との新コンビで関屋記念に参戦した。1番人気での出走だったが、鋭く追い込んだサイドワインダーの決め手に半馬身屈し、2着に惜敗する。

秋は毎日王冠で始動し、1番人気5着。
次走に予定していた天皇賞(秋)は賞金不足のため除外にあってしまい、目標をマイルCSへと変更する。
そのマイルCSではルメール騎手との新コンビで4番人気。デュランダル、ラインクラフト、ハットトリックと後ろから行く馬が人気を集めている中、ダイワメジャーは2番手好位からの競馬で抜け出しを計った。いいタイミングで抜け出したものの、最後はハットトリックの決め手にハナ差競り負け2着に惜敗。

4歳シーズンはこのレースを最後に休養。

5歳になると、中山記念で始動。ダービー以来となるデムーロ騎手とのコンビ復活となったが、バランスオブゲームの逃げの前に2着に敗れる。

安藤勝騎手とのコンビとなった次走のマイラーズCではダンスインザムードを抑えて1着。ダービー卿CT以来約1年ぶりの勝利を飾った。

その後挑んだ安田記念は2番人気ながら香港のブリッシュラックから0.5秒差の4着。
宝塚記念ではディープインパクトの前に1秒以上離された4着に終わった。

夏場は休養し、この年も毎日王冠から始動。
しかし、この年の秋シーズンは前年とは違っていた。
G1馬が6頭と強豪がひしめいた毎日王冠だったが、2着ダンスインザムードをクビ差抑えて優勝。

続く天皇賞(秋)は4番人気ながら、スウィフトカレントを半馬身抑えての優勝。
皐月賞以来のG1勝利となった。

さらに続くマイルCSではまたしても追いすがるダンスインザムードをクビ差抑えて1着。87年のニッポーテイオー以来となる、同一年の天皇賞(秋)、マイルCS勝利を達成した。

次走では距離に不安を抱えてはいたが、有馬記念へ出走。
断然人気のディープインパクトが出走していたこともあり、3番人気ながら単勝オッズは15.1倍だった。ダイワメジャーは2番手からレースを進めて直線を迎える。ディープインパクトには外からあっさりと交わされたものの、3着に好走した。

06年シーズンは秋の3連勝などの活躍でJRA賞最優秀短距離馬に選出された。

翌年6歳シーズンはドバイに遠征。
いつものように先団から抜け出すも、同じく日本から参戦したアドマイヤムーンに交わされ3着に敗退。

帰国後はG1・安田記念に直行。
2番人気での出走だったが、直線しぶとく伸びると、2着コンゴウリキシオーをクビ差抑えての優勝。安田記念3度目の挑戦での初勝利だった。

続く宝塚記念では馬体重の大幅減も響き12着に大敗する。

秋は3シーズン連続での毎日王冠へ出走。1番人気ながらチョウサンの3着。

続く天皇賞(秋)は直線他馬に進路を塞がれる不利もあり、9着に敗退。

その後は連覇を狙ってマイルCSに出走。
1番人気に支持されると、好位から抜け出し、差を詰めたスーパーホーネットをクビ差抑えて優勝。マイルCS連覇、G1・5勝目を挙げた。
この前の週には妹のダイワスカーレットがエリザベス女王杯を勝っており、史上4例目となる2週連続兄妹G1勝利となった。

この年での現役引退が決まっていたダイワメジャーだったが、ラストランには有馬記念が用意された。
ここでダイワスカーレットとの初対決が実現。
ともに手綱を取っていた安藤勝騎手は妹のダイワスカーレットに騎乗することとなり、ダイワメジャーはG1初制覇となった皐月賞での鞍上、デムーロ騎手とのコンビ結成となった。
妹が2番手を追走し、兄は中団を追走。中山巧者のマツリダゴッホの抜け出しを2頭で追うが捕まえ切れず、ダイワスカーレットが2着、ダイワメジャーが3着の結果となった。

有馬記念を最後に現役引退となったダイワメジャーだが、前年に続き2年連続でのJRA賞最優秀短距離馬に選出された。

■引退後
引退後は、社台スタリオンステーションで種牡馬入り。
初年度の種付け料は500万円で、223頭の種付け数を集める人気を見せた。
翌年以降も181頭、164頭と多くの繁殖を集めている。
雄大な馬格、牝系も筋の通った血統ということでサンデーサイレンス後継種牡馬の中でも期待が高い。
初年度産駒は今年デビューする。
産駒にはあのディープインパクトの半弟となるウインドインハーヘア産駒をはじめ、フサイチコンコルド、サンテミリオン、テイエムオーシャン、レディパステルの弟妹などの良血馬がズラリと揃っており、初年度からの活躍に注目が集まる。