週刊あの馬は今!?


第27回:ピースオブワールド
■牡 2000/02/18生れ
■血統
父サンデーサイレンス
母ビバムール(Cerleon)

■戦績 02年10月:京都/新馬戦:1着
02年10月:京都/かえで賞:1着
02年11月:京都/ファンタジーS:1着
02年12月:阪神/阪神JF:1着
03年5月:東京/オークス:13着
03年9月:阪神/ローズS:4着
03年10月:京都/秋華賞:4着
03年12月:阪神/阪神牝馬S:3着
04年2月:京都/京都牝馬S:6着
04年3月:中山/中山牝馬S:12着

通算:10戦4勝(重賞2勝)

母ビバムールはタイキシャトルの母ウェルシュマフィンの全妹、父は大種牡馬サンデーサイレンスという良血馬でデビュー前から注目を集めていたピースオブワールド。

デビュー戦は10月の京都。福永騎手を背に、ダート戦であった。スピードの違いで先手を取ると、直線後続との差を広げ、6馬身差の圧勝でデビュー戦を飾る。
次走のかえでSではOPで好走していたエースインザレースと人気を2分したが、わずかに1番人気。逃げるエースインザレースを好位で見る形になり、直線すんなりと交わすと、2馬身差をつけ優勝。デビュー2連勝とした。

3戦目はファンタジーS。重賞初挑戦ながら、単勝1.4倍の断然人気に推される。前走同様、好位に取り付くと、シーイズトウショウの追撃を1.1/4馬身差退けて優勝。

デビュー3連勝で迎えた4戦目はG1・阪神JF。ここでも単勝1.5倍の1番人気に支持される。いつもよりはやや後ろからのレースとなったが、直線に入り鋭く脚を使い、前を行くヤマカツリリーを1馬身半交わして優勝。無傷の4連勝でG1制覇を果たした。

その年は文句なしでJRA賞最優秀2歳牝馬に選出された。

これでクラシック戦線の主役に躍り出たが、年明け2月に骨折を発症。春シーズンはほぼ絶望となる。
しかし、患部の回復は早く、桜花賞にこそ出走が叶わなかったものの、5月のオークスに出走。
長期の休み明け、しかも骨折からの復帰戦となったが、アドマイヤグルーヴ、スティルインラブに次ぐ3番人気に支持される。
しかし、さすがに条件が厳しく、いつもの行き脚は見られず後方のまま13着に終わる。
なんとかオークスに間に合ったものの、急仕上げであったことは否定できない。

夏場を休養に充てると、秋はローズSで始動。
ここでも春の実績馬、スティルインラブ、アドマイヤグルーヴが出走。スティルインラブにはクビ差先着するも、買ったアドマイヤグルーヴからは3馬身離された4着に敗れた。
一叩きされた秋華賞。ここでも人気はアドマイヤグルーヴ、スティルインラブに次ぐ3番手。道中はいいポジションにつけ、直線もしぶとく伸びたが、4着に惜敗。それでも、勝ち馬とは0.2秒差と差のない競馬を見せ、復調をうかがわせた。

その後は、春以降、もう1つ伸びきれないレースが続いたこともあり、距離適正を重視し、エリザベス女王杯ではなく、マイルの阪神牝馬Sへと向かう。
ファインモーションに次ぐ2番人気だったが、ハッピーパスにも先着を許し、3着に敗れた。

古馬になり、2月の京都牝馬Sに出走。
相手関係が楽になったこともあり、単勝2.0倍の1番人気に支持されるが、直線伸びを欠き、6着に敗退。
続く中山牝馬Sでも1番人気ながらまったくいいところなく12着に大敗する。

不可解な負けが続いたこともあり、そのレースを最後に現役を引退することになる。

■引退後
引退後は千代田牧場で繁殖入り。初年度は産駒が誕生しなかったが、06年にキングカメハメハとの牝が誕生。
ラブアンドピースという名前をつけられた同馬だったが、ダート1200mの新馬戦を1戦しただけで引退している(9頭立て8着)。
2番仔のオッドアイビーナス(牝・父クロフネ)は未出走で繁殖入り。
3番仔のサトノピースピース(牡・父ブライアンズタイム)は今年の夏に新潟で2戦し、いずれも敗退(16着、5着)。
今のところ産駒で勝利は挙げられていない。
その後も09年、10年に続けてブライアンズタイムの仔を出産。来年以降のデビューが待たれる。