週刊あの馬は今!?


第43回:シーザリオ
■牡 2002/03/31生れ
■血統
父スペシャルウィーク
母キロフプリミエール(Sadler'sWells)

■戦績
04年12月:阪神/新馬戦:1着
05年1月:中山/寒竹賞:1着
05年3月:中山/フラワーC:1着
05年4月:阪神/桜花賞:2着
05年5月:東京/オークス:1着
05年7月:米/アメリカンオークス:1着
通算:6戦5勝(重賞3勝)

血統的に特に目立った馬ではなかったシーザリオ。
デビューは12月の阪神・芝1600mで2番人気。福永騎手を背に出走。4番手に取り付くと、上がり3F34.6秒で駆け上がりデビュー勝ち。それでも特に目立った勝ち方でもなかったため、それほど話題になることはなかった。
2戦目の500万特別・寒竹賞は牡馬相手、距離も2000mということもあり、4番人気。アドマイヤフジが1.7倍の断然人気に推されていた。しかし、好位3番手からレースを進めると、直線抜け出し、人気のアドマイヤフジをクビ差抑えてV。デビュー2連勝とした。

これで一気に注目を集めたシーザリオ。
3戦目のフラワーCでは単勝1.4倍の圧倒的1番人気に支持された。
スローペースを好位2,3番手追走。逃げたスルーレートをあっさり交わすと、上がり3F34.4秒の末脚で一気に伸び、2馬身半差をつけ優勝。デビュー3連勝で重賞初制覇となった。

これで桜花賞の本命候補となったが、この年はライバル・ラインクラフトがいた。
ラインクラフトは新馬戦、ファンタジーSを連勝後、G1・阪神JFを3着。始動戦のフィリーズレビューを1番人気で快勝していた。
さらにシーザリオ、ラインクラフトともに福永騎手がデビューから手綱を取っていた。
注目を集めた福永騎手の騎乗馬選択だが、ラインクラフトに騎乗することになった。
そしてシーザリオは公営の吉田稔騎手が騎乗することに。

迎えた第65回桜花賞。
1番人気は3.9倍でシーザリオ、2番人気は4.6倍でラインクラフト。
ラインクラフトは好位3,4番手に取り付いたが、シーザリオは道中前が詰まり徐々にポジションを下げると、4角手前では10番手くらいに位置していた。
ラインクラフトが外目から抜群のタイミングで抜け出し、後方との差を広げる中、馬群を割ってシーザリオが差を詰める。ゴール前ではシーザリオの勢いが勝っていたが、ラインクラフトが最後に一踏ん張りしアタマ差届かず2着に惜敗。デビュー以来初黒星を喫した。

その後は、オークスへ。ラインクラフトが距離適性を重視しNHKマイルカップに向かったため、主戦の福永騎手に手綱が戻った。
ラインクラフトが牡馬相手のNHKマイルCを勝ったこともあり、シーザリオは単勝1.5倍の圧倒的1番人気に推された。
4番枠からのスタートということもあり、徐々にポジションを下げると、序盤は後方3,4番手の位置取り。4角でも後方に位置したが徐々に外に持ち出し、追い出しにかかると、先に抜け出して勝ちパターンだったエアメサイアをゴール寸前クビ差捕らえて優勝。上がり3Fはメンバー最速の33.3秒だった。

オークス後はアメリカへ遠征。7月にハリウッドパーク競馬場で行われるアメリカンオークス(米G1・芝2000)に出走。
単勝2番人気に推され、3角で先頭に立つと、直線も後続を寄せ付けず、1番人気MELHOR AINDAに4馬身差をつけるレコードV。日米オークス制覇を達成した。
父内国産馬として初の海外G1制覇、また日本調教馬として初の米G1制覇となった。

しかし、その後繋靱帯炎を発症。長期休養に入ることになったが、ラインクラフトを抑え、同年の最優秀3歳牝馬に輝いた。
復帰を目指していたが、調教中に繋靱帯炎を再発し、翌年4月に現役引退が決まった。

■引退後
引退が4月だったこともあり、その年にキングカメハメハと交配。翌07年に黒鹿毛の牡馬(トゥエルフスナイト)を出産した。
翌07年もキングカメハメハがつけられ、青鹿毛の牝馬(ヴァイオラ)、09年はシンボリクリスエスがつけられ、鹿毛の牡馬を出産している。
産駒は体質が弱く、トゥエルフスナイトは3歳9月の札幌未勝利戦でデビュー。宮崎騎手を背に、3番人気で出走すると、経験馬を相手に1.1/4馬身差をつけ優勝。その後の活躍が期待されているがツメの弱さもあり、いまだ2戦目を迎えられていない。
ヴァイオラもデビューを目指していたが、蹄葉炎のためデビューすることなく引退が決まった。
シンボリクリスエスの10は早ければ来年の夏にデビューすることになる。