週刊あの馬は今!?


第114回タイキエルドラド
■牡 1994/3/30生れ
■血統
父Theatrical
母ロイヤルブライド(BlushinbGroom)
藤沢和雄厩舎

■戦績
97年3月:新馬戦/橋本広喜/2着
97年3月:新馬戦/橋本広喜/1着
97年4月:アザレア賞/橋本広喜/3着
97年6月:ほうせんか賞/橋本広喜/1着
97年7月:洞爺湖特別/岡部/1着
97年10月:オクトーバーS/岡部/1着
97年11月:アルゼンチン共和国杯/岡部/1着
98年5月:金鯱賞/岡部/3着
98年6月:目黒記念/岡部/2着

通算9戦5勝(重賞1勝)

※馬齢は当時の表記です。

半弟に函館スプリントS勝ちのタイキトレジャー。高い能力を秘めていながら体質の弱さがあり満足にレースを使えなかった名馬である。

関東馬であったが、デビュー戦は4歳3月の阪神・芝1600m。橋本騎手を背に2番人気での出走。スタートで後手を踏むも、直線よく追い込み勝ち馬から半馬身差の2着。
次走、折り返しの新馬戦も阪神へ遠征。芝2200mへ距離延長され、単勝1.7倍の1番人気に支持された。
このレースもスタートはよくなかったが、道中中団に取りつくと、直線後続を突き放し、2着馬に3.1/2馬身差をつけ圧勝。2戦目で初勝利を挙げた。

3戦目も阪神への遠征で、500万特別・アザレア賞(芝2000)へ。単勝1.9倍の1番人気での出走。3戦連続で関西への遠征となり、-14キロの474キロと馬体重を大きく減らしていた。またもスタートで後手を踏み後方からのレース。直線よく追い込むも勝ち馬からアタマ+1/2馬身差の3着に惜敗した。

4戦目は東京芝2000mのほうせんか賞。中団から徐々に押し上げ4角では先頭を射程圏に入れ早め先頭に立つと、そのまま押し切って優勝。2勝目を挙げた。

5戦目は函館の洞爺湖特別(芝1800)。鞍上はこれまで手綱を取ってきた橋本騎手から岡部騎手へと乗り替わりとなり、以降全レースで岡部騎手が手綱を取った。
出遅れることなくスムーズに中団に取りつくと、直線後続を突き放し、2着マチカネトリスタンに1馬身半差をつけ優勝。単勝2.0倍の1番人気に応え2連勝とした。

その後は一息入れられ秋の東京開催で復帰。準オープン・オクトーバーS(芝1800)を好位から抜け出す競馬で快勝。3連勝でオープン入りを果たした。

その後はアルゼンチン共和国杯へ。デビュー当時から素質を高く評価されていたタイキエルドラドがついに重賞に出走することとなった。
ツクバシンフォニー、ゲイリーイーグル、サージュウェルズ、ダイタクサージャンらが出走してきたが、3連勝中と勢いに乗るタイキエルドラドが1.7倍の1番人気に支持された。
道中は好位に取りつくと直線追いすがる後続を抑え、2着スノーエンデバーにクビ差をつけ優勝。4連勝で重賞初制覇を果たした。

その後はジャパンC参戦プランもあったが休養に入り、翌年の宝塚記念が目標にされた。

復帰は7ヶ月後の金鯱賞。快速馬サイレンススズカが出走し、タイキエルドラドは3番人気だった。
道中は中団につけたが、スタートから大きく差を広げて逃げるサイレンススズカにペースを握られた。軽快に逃げたサイレンススズカがそのまま後続に大差をつけ圧勝。タイキエルドラドは懸命に差を詰めるも2着ミッドナイトベットから1馬身差の3着に終わった。連勝はストップしたがさすがに相手が悪かった。

次走はハンデG2目黒記念へ。トップハンデ57キロを背負っての出走であったがメジロドーベルを抑え1番人気での出走であった。
好位から直線もしぶとく伸びたが、重馬場に脚を取られ、重巧者ゴーイングスズカにクビ差及ばず2着に惜敗した。

不得手の馬場で2着に好走し、目標の宝塚記念へ向けて悪くない結果であったが、右前脚に不安が出たため回避。長期休養に入ることとなった。

翌年、同じく金鯱賞から復帰し、宝塚記念へ向かうプランも立てられたが結局復帰は叶わず現役引退が決まった。

■引退後
現役引退後は日高スタリオンステーションで種牡馬入りした。
種付け料は受胎確認後20万円もしくは産駒誕生後30万円と安価に設定されたが、G2・1勝のみと実績に乏しく少ない繁殖しか集めることはできなかった。
地方・川崎でケイエスジャガーが初勝利を挙げたが、中央ではシップスドア1頭のみのデビューで、2戦して未勝利に終わった。

結局数も少なく活躍馬は出せずに2005年、種牡馬を引退した。

種牡馬引退後は青森県の野々宮牧場で余生を送ることになった。
このまま処分されてしまうことも多い世界だが、同牧場で穏やかに余生を過ごすことができたタイキエルドラドは幸運だったに違いない。
栗毛の美しい馬体で手もかからず聡明な馬だったが、2011年8月、病気のためこの世を去った。

2012.10.29
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