週刊あの馬は今!?


第56回:アドマイヤムーン
■牡 2003/02/23生れ
■血統
父エンドスウィープ
母マイケイティーズ(サンデーサイレンス)

■戦績
05年7月:函館/新馬戦:1着
05年8月:札幌/クローバー賞:1着
05年10月:札幌/札幌2歳S:1着
05年12月:阪神/ラジオたんぱ杯2歳S:2着
06年2月:東京/共同通信杯:1着
06年3月:中山/弥生賞:1着
06年4月:中山/皐月賞:4着
06年5月:東京/ダービー:7着
06年8月:札幌/札幌記念:1着
06年10月:東京/天皇賞(秋):3着
06年12月:香港/香港C:2着
07年2月:京都/京都記念:1着
07年:3月:ドバイ/ドバイデューティフリー:1着
07年4月:香港/クイーンエリザベス2世C:3着
07年6月:阪神/宝塚記念:1着
07年10月:東京/天皇賞(秋):6着
07年11月:東京/ジャパンC:1着

通算:17戦10勝(重賞8勝)

半弟に今年の弥生賞2着など中距離戦で活躍しているプレイがいる血統。

育成段階から順調に調整が進み、デビューは7月の函館開催と早い時期だった。
本田騎手とのコンビで5番人気と評価は低かったが、後方追走からメンバー最速の上がり3F35.9秒で追い込むと、2着グラスウィークに2馬身半差をつけ1着。デビュー戦を飾った。

続くOP特別クローバー賞も勝ち、3戦目は札幌2歳Sに出走。1番人気に支持されると、好位から直線鋭く抜け出し、2着ディープエアーに1馬身半差をつけ優勝。無傷の3連勝で重賞初制覇を飾った。

その後は一息入れて、暮れのラジオたんぱ杯2歳Sへ。ここでも1番人気に推されたが、エリカ賞を勝って臨んだサクラメガワンダー、新馬勝ちの良血ニルヴァーナが僅差で続いた。
レースは中団から直線よく伸びたものの、サクラメガワンダーの決め手にハナ差屈し2着。初黒星を喫した。

年が明けて3歳初戦は共同通信杯。このレースから鞍上は武豊騎手に替わった。2歳王者フサイチリシャールが1番人気でアドマイヤムーンは2番人気。フサイチリシャールが2番手から強気に抜け出したところを上がり3F33.9秒の鋭い末脚で差し切り重賞2勝目を挙げる。

皐月賞へのステップ・弥生賞では単勝1.6倍の圧倒的1番人気で出走すると、暮れに先着を許したサクラメガワンダーを4着に下し、重賞2連勝とした。

この勝利で皐月賞の大本命へと躍り出たアドマイヤムーン。
同じく武豊騎手鞍上で無傷の4連勝中だったフサイチジャンクもおり、武騎手がどちらを選択するか注目されたが、アドマイヤムーンへの騎乗が決定。
やや後方からのレースとなり、上がり3F34.8秒の末脚で追い上げたが、先に抜け出したメイショウサムソンに及ばず、4着に敗れた。メイショウサムソンはスプリングSを勝っての参戦だったが、6番人気とこの時点ではそれほど有力視されていなかった。

次走の日本ダービーでは3番人気と評価を落としての出走。後方から伸びを欠き7着に沈んだ。勝ったのはメイショウサムソンで2冠達成となった。

夏場には初の古馬相手となった札幌記念へ出走。3歳馬ながら1番人気に推されると、中団から鋭い末脚で差し切り優勝。

その後は距離適性を考慮し、菊花賞ではなく、天皇賞(秋)へ挑戦。
後方からメンバー最速の上がり3F34.2秒で追い込むも、勝ったダイワメジャーから1/2+3/4馬身差の3着に敗れた。

その後、暮れには香港へ遠征。香港カップに出走したが、プライドの2着に惜敗。

翌年はドバイを目標に、京都記念で始動。暮れの有馬記念でディープインパクトの2着に好走したポップロックに人気を譲ったが、レースでは同馬をクビ差抑えて優勝。始動戦を勝利で飾った。

その後は予定通りドバイへ遠征。ダイワメジャーとともにドバイデューティフリーに出走した。その他にもリンガリ、イングリッシュチャンネルといった強豪が出走してきたが、それらを抑えて見事優勝。G1初制覇を飾った。
ドバイデューティフリーを制した後は、そのまま香港へ転戦。
クイーンエリザベス2世Cに出走するも、後方から追い込み届かず3着に惜敗した。

帰国後は宝塚記念に出走。主戦の武豊騎手が降板し、新たに岩田騎手とのコンビが結成された。
その年のダービーを制した女傑ウオッカの出走が注目を集め、アドマイヤムーンは3番人気。
稍重の馬場状態だったが、後方から直線よく伸び、メイショウサムソンとの競り合いを1/2馬身差制し優勝。国内でのG1初制覇となった。

夏場は休養に充て、秋は前年3着に惜敗した天皇賞(秋)を目標にされた。
秋に備え放牧中だった7月、ダーレー・ジャパンへ40億円で売却され、馬主変更となった。
厩舎は松田博厩舎所属のまま、天皇賞(秋)に直行。
4ヶ月ぶりの出走となったが2番人気に推された。1番人気はかつてのパートナー武豊騎手が騎乗したメイショウサムソンだった。アドマイヤムーンは中団からレースを進めるも不利もあり6着に終わる。勝ったのはメイショウサムソンだった。

続くジャパンカップでは距離延長に対する不安から5番人気と評価を落とした。
道中5,6番手を追走する、いつもよりも前目での競馬。直線早めに先頭に立つと、ポップロックの追撃をアタマ差凌ぎ優勝。G1・3勝目を挙げた。

その後は有馬記念に出走することなく、引退・種牡馬入りが発表された。
翌1月に発表されたJRA賞では年度代表馬、最優秀4歳以上牡馬を受賞した。

■引退後
引退後はダーレージャパン・スタリオンコンプレックスで種牡馬入り。
エンドスウィープの後継種牡馬として期待を集め、初年度種付け料500万円に対して種付け希望が殺到。初年度は138頭への種付けを行った。種付け数を制限したこともあり、受胎率も良好だった。
2年目は出走条件400万円で195頭、3年目は出走条件400万円で126頭への種付けと、高い人気を集めている。
今年デビューを迎えた初年度産駒だが、7月3日の函館新馬戦でさっそくエクソプラネットが勝ち上がり、産駒の中央初勝利となった。
この後もアストロロジー、リルダヴァル、カワカミプリンセス、ブラックホークの弟、アドマイヤフジ、メイショウベルーガ、ミスキャストの妹など、良血馬がデビューを控えている。