週刊あの馬は今!?


第78回:ドリームパスポート
■牡 2003/3/14生れ
■血統
父フジキセキ
母グレースランド(トニービン)
稲葉隆一厩舎

■戦績
05年9月:小倉/新馬戦:3着
05年9月:阪神/未勝利:2着
05年10月:京都/未勝利:1着
05年11月:京都/京都2歳S:2着
06年2月:京都/きさらぎ賞:1着
06年3月:中山/スプリングS:3着
06年4月:中山/皐月賞:2着
06年5月:東京/ダービー:3着
06年9月:中京/神戸新聞杯:1着
06年10月:京都/菊花賞:2着
06年11月:東京/JC:2着
06年12月:中山/有馬記念:4着
07年3月:阪神/阪神大賞典:2着
07年11月:東京/JC:14着
07年12月:中山/有馬記念:6着
08年1月:中山/AJCC:5着
08年2月:京都/京都記念:4着
08年4月:阪神/大阪杯:4着
08年5月:京都/天皇賞(春):9着
08年6月:阪神/宝塚記念:9着
08年10月:東京/毎日王冠:11着

通算22戦3勝(重賞2勝)

デビューは2歳9月の小倉競馬で当時は栗東・松田博厩舎所属だった。
そのデビュー戦では高田潤騎手を背に6番人気。直線で差を詰めたものの2歳牝馬チャンピオンとなるテイエムプリキュアから0.3秒差の3着に敗れた。

2戦目は横山典騎手に乗り替わり4番人気。このレースも中団からよく差を詰めたが今度は2歳牡馬チャンピオンとなるフサイチリシャールが出走しており1/2馬身差の2着に敗れた。

2戦続けて後の2歳G1馬との対戦となったが、3戦目、安藤勝騎手を背に1番人気に支持されると、2着ハイブレッドに4馬身差をつける圧勝で順当勝ちを収めた。

4戦目となった萩Sはフサイチリシャールとの再戦。しかし前走からさらに差を広げられ3馬身差の2着に敗れた。なおこのレースには後にクラシックで強敵となるメイショウサムソンも出走していた(4着)。

続く京都2歳Sは中団からよく伸びたものの圧倒的1番人気マルカシェンクとの末脚勝負に1/2馬身及ばず2着。

その後一息入れられ、3歳の始動戦はきさらぎ賞。安藤勝騎手を背に2番人気。
後方からレースを進め直線鋭く伸びると、1番人気メイショウサムソンを1/2馬身差交して優勝。重賞初挑戦で勝利を飾った。

賞金を上乗せしたドリームパスポート。次走は皐月賞トライアル・スプリングS。2歳チャンピオン・フサイチリシャールが単勝1.6倍の圧倒的人気を集め、ドリームパスポートはデムーロ騎手とのコンビで2番人気。後方からメンバー最速の上がりで追い込んだが、メイショウサムソン、フサイチリシャールに届かずクビ+ハナ差の3着に惜敗した。

そして迎えた皐月賞。弥生賞を勝って挑んだアドマイヤムーンが1番人気で4戦4勝のフサイチジャンク、2歳王者フサイチリシャールが続いた。ドリームパスポートは鞍上に大レースでの実績がない高田潤騎手ということもあり、10番人気。ここまでの戦績を考えると低い評価だった。
中団に位置したドリームパスポートは直線良く伸びて前との差を詰めた。先に抜け出したメイショウサムソンに1/2馬身差及ばなかったものの2着に好走した。

次走ダービーでは四位騎手に乗り替わり。距離延長に対する不安からここも7番人気にとどまったがメンバー最速の上がり3F34.9秒の脚で追い込みメイショウサムソンの3着に食い込んだ。

夏場は休養に充てられ秋は神戸新聞杯で始動。この年は中京競馬場での開催となった。
春2冠を制したメイショウサムソンが圧倒的1番人気でドリームパスポートは3番人気。再び高田潤騎手に乗り替わりとなった。
メイショウサムソンが先に抜け出したが、外から末脚を伸ばしたドリームパスポートがクビ差交して優勝。重賞2勝目を挙げた。

クラシック最後の一冠菊花賞は横山典騎手を背に2番人気。先行したメイショウサムソンを退け、逃げたアドマイヤメインを交したが、ゴール前で武幸四郎騎手騎乗の伏兵ソングオブウインドにクビ差交わされ2着に惜敗。
クラシック三冠は2,3,2着と手が届かなかった。

次走は古馬との対戦となったジャパンカップ。海外遠征帰りのディープインパクトが圧倒的人気を集める中、ドリームパスポートは岩田騎手との新コンビで5番人気。
先行して流れに乗り、直線ではいったん抜け出したが、直線半ばでディープインパクトが差を詰めると2馬身差をつけられゴール。それでも並み居る古馬を相手に2着に好走した。

さらにその後は有馬記念にも出走。内田騎手とのコンビで2番人気。中団から差を詰めたものの勝ち馬ディープインパクトから0.6秒差の4着に終わった。
結局G1では惜敗が続きタイトル奪取はならなかった。

古馬となって初戦は阪神大賞典。安藤勝騎手鞍上で1番人気だったが、アイポッパーにアタマ差届かず2着。

その後は天皇賞・春に向け調整されていたが、骨折が判明し休養に入る。

復帰は8ヶ月後のジャパンカップ。ぶっつけでのG1となったが6番人気。しかしさすがに厳しいレースとなり、勝ち馬アドマイヤムーンから1.5秒離された14着に大敗。
続く有馬記念は高田潤騎手が騎乗し6着に終わった。

しかし、このレースが波紋を呼んだ。その年いまだ未勝利だった高田潤騎手を有馬記念で起用した松田博厩舎と馬主のサラブレッドクラブセゾンとの間に意見の食い違いが発生。
ドリームパスポートは翌年、美浦・稲葉隆一厩舎へと転厩した。

5歳初戦はAJCC。松岡騎手がここから4戦手綱を取った。
1番人気に支持されるも5着に敗退すると、続く京都記念、大阪杯をいずれも3番人気4着に敗退。

G1・天皇賞(春)は9着に大敗した。

その後はファン投票8位に選ばれた宝塚記念へ出走。蛯名騎手へと乗り替りとなったがここも9着に敗退。

骨折後は復活の手がかりが見えないレースが続いた。

夏場は放牧に出され、秋は毎日王冠で復帰。三浦騎手に乗り替りとなり11着に大敗。
さらにその後屈腱炎を発症。

結局骨折後は復活ならず、11月に現役引退が決まった。

■引退後
引退後は北海道のすずらん乗馬クラブで乗馬になった。
種牡馬になる事は出来なかった。サンデーサイレンス系の飽和状態、さらには母父がトニービンとつけられる相手も限られていたことも影響したのかもしれない。
すずらん乗馬ではドリームパスポートの歩か、マイネルブリッジやゼネラリスト、ランフォローズなどの姿もあるようだ。

2012.1.30
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