週刊あの馬は今!?


第92回:アドマイヤベガ
■牡 1996/3/12生れ
■血統
父サンデーサイレンス
母ベガ(トニービン)
半弟アドマイヤドン(朝日杯FSなど)
全弟アドマイヤボス(セントライト記念)
全弟キャプテンベガ(東京新聞杯2着など)

橋田満厩舎

■戦績
98年11月:京都/新馬戦:4着(降着)
98年12月:阪神/エリカ賞:1着
98年12月:阪神/ラジオたんぱ杯3歳S:1着
99年3月:中山/弥生賞:2着
99年4月:中山/皐月賞:6着
99年6月:東京/ダービー:1着
99年10月:京都/京都新聞杯:1着
99年11月:京都/菊花賞:6着

通算8戦4勝(重賞3勝)

※馬齢は旧年齢です。

母は桜花賞、オークスの2冠を制したベガで、半弟に朝日杯FSなどG1・7勝を挙げたアドマイヤドン、全弟にセントライト記念を勝ったアドマイヤドン、重賞勝ちこそなかったものの東京新聞杯2着など活躍したキャプテンベガがいる。

脚が内側に曲がっていたことで有名なアドマイヤベガ。そして母ベガにとって初仔となるサンデーサイレンスとの仔は双子だった。そのため片方はつぶされ、残された方の胎児、産まれてきたのがアドマイヤベガである。

デビュー戦は3歳11月の京都。芝1600m戦に武豊騎手鞍上で出走。断然の1番人気に支持された。
レースは中団につけると、直線他馬とは次元の違う末脚で差し切ったが、他馬の走行を妨害したため4着に降着となった。
なお、これにより鞍上の武豊騎手はエリザベス女王杯のエアグルーヴ、JCのスペシャルウィークなどへの騎乗が不可となった。

デビュー戦は4着降着となったが、その後は未勝利戦ではなく、予定通りエリカ賞へと向かった。
ペリエ騎手騎乗のスリリングサンデーなど素質馬も出走していたが、アドマイヤベガが単勝1.2倍の1番人気。
中団から勝負所で仕掛けていくと、直線はスリリングサンデーとの競り合いをクビ差制し優勝。初勝利を挙げた。

次走は暮れのラジオたんぱ杯3歳Sで、マチカネキンノホシと2強対決の前評判となった。
道中は並んで中団を追走。直線2頭が抜け出したが、終始リードを保ったアドマイヤベガが1/2馬身差抑えて優勝。2連勝で重賞初制覇を飾った。

その後は一息入れられ皐月賞トライアル・弥生賞で始動。
単勝1.5倍の1番人気に推され。後方から上がり3F最速の35.0秒で差を詰めたが、勝ったナリタトップロードに1馬身差届かず2着に敗れた。

2着に敗れはしたものの、皐月賞へ向けてのトライアルとしては上々の結果だった。しかし、皐月賞前は体調を崩すアクシデントもあり馬体重-12キロと万全とは言い難いものだった。
それでも1番人気に推されたが、直線いつもの伸び脚は影を潜め、勝ち馬テイエムオペラオーから0.6秒差の6着に敗れた。

次走の日本ダービーは+10キロと馬体を戻しての出走。
皐月賞馬テイエムオペラオー、3着のナリタトップロードと3強を形した。
1番人気は距離伸びて巻き返しが期待された渡辺薫彦騎手騎乗のナリタトップロードで3.9倍。同じく3.9倍ながらアドマイヤベガが2番人気、テイエムオペラオーが4.2倍で3番人気となった。
アドマイヤベガは道中後方2,3番手を追走。直線、先に抜け出したテイエムオペラオーを残り100m付近でナリタトップロードが交わし先頭に。残り50m付近でさらに外から伸びてきたアドマイヤベガが測ったようにこれを差し切って優勝。
クビ差ライバルを抑えてダービー制覇を遂げた。

夏場は休養を取り、秋は菊花賞トライアル・京都新聞杯で始動。
ナリタトップロードが1番人気でアドマイヤベガは2番人気。後方追走から直線鋭く伸びたアドマイヤベガが前走に続きクビ差ナリタトップロードを抑えて優勝。菊花賞へ向けさい先のよいスタートを切った。

迎えた菊花賞は1番人気で出走。
しかし、中団につけるも直線伸びを欠き、勝ったナリタトップロードから0.6秒差の6着に終わった。

この年のクラシックは皐月賞をテイエムオペラオー、ダービーをアドマイヤベガ、菊花賞をナリタトップロードと、3強それぞれが1冠ずつを分け合う形となった。
なお、最優秀4歳牡馬はダービー馬アドマイヤベガではなく、皐月賞を制し、有馬記念でも3着に好走したテイエムオペラオーが選出されている。

その後は休養に入り、翌年に備えることになったアドマイヤベガ。
しかし春は体調が整わず全休。さらに秋の目標を天皇賞・秋に定め調整されるも、左前脚に繋靱帯炎発症し、現役引退が決まった。

■引退後
引退後は2000年から社台スタリオンステーションで種牡馬入り。
初年度産駒は2004年にデビューし、その中からストーミーカフェを輩出。札幌2歳S、共同通信杯を勝った。

初年度産駒から重賞勝ち馬を輩出し好スタートを切ったかに思えたが、2004年10月、疝痛を発症。社台ホースクリニックに搬送されるも、偶然性胃破裂のため急死する不運に見舞われた。
なお、母ベガも優秀な仔を立て続けに輩出したが、2006年にくも膜下出血のため死亡している。

その後もコンスタントに活躍馬を送り出し、桜花賞馬キストゥヘヴンを始め、アドマイヤフジ(中山金杯2勝など)、テイエムドラゴン(中山大障害など)、プレミアムボックス(オーシャンSなど)、ブルーメンブラット(マイルCSなど)、アルナスライン(日経賞)、オースミスパーク(小倉大賞典)、トーワベガ(阪神SJ)、メルシーモンサン(中山グランドジャンプ)、ギルティストライク(東京JS)、ニホンピロレガーロ(小倉記念)、サンライズベガ(小倉大賞典)などを輩出した。

2012.5.22
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