週刊あの馬は今!?


第51回:エアジハード
■牡 1995/04/09生れ
■血統
父サクラユタカオー
母アイシーゴーグル(ロイヤルスキー)

■戦績
97年12月:中山/新馬:1着
98年2月:東京/カトレア賞:1着
98年3月;中山/スプリングS:4着
98年5月:東京/NHKマイルC:1着
98年10月:東京/900万下:1着
98年11月:東京/奥多摩S:1着
98年11月:東京/富士S:1着
99年4月:新潟/谷川岳S:2着
99年5月:東京/京王杯SC:2着
99年6月:東京/安田記念:1着
99年10月:東京/天皇賞(秋):3着
99年11月:京都/NHKマイルC:1着

通算:12戦7勝(重賞3勝)

※馬齢は当時の表記です。

デビュー戦は97年暮れの中山開催、芝の1200mで武豊騎手を鞍上に単勝1.8倍の圧倒的1番人気に支持された。中団追走から上がり3Fメンバー最速の35.6秒でまとめると、2着ファーディーンに3馬身半差をつけ快勝。

2戦目の500万特別・カトレア賞は3番人気で出走。ダート戦ということもあり人気はマル外に譲ったが、後方から直線追い込むと2着アイアムブラザーに1馬身半差をつけ優勝。デビュー2連勝とした。

3戦目となった皐月賞トライアル・スプリングSでは2番人気。しかし、ゲート内で暴れてしまい、スタートで後手を踏むと、最速の上がりで直線差を詰めるもクリールサイクロンの4着に敗退。皐月賞への優先出走権を逃しただけでなく、発走調教再審査が課されてしまった。

その後はG1・NHKマイルCへ。武豊騎手がマイネルラヴに騎乗したため、橋本広喜騎手に乗り替わり。キャリアの浅さもあって、10番人気での出走。レースでも中団のまま見せ場なく、エルコンドルパサーから0.8秒差の8着に終わる。

夏場を休養に充てると、秋になって本格化。900万条件で復帰すると、準オープン・奥多摩Sも連勝。
2連勝で迎えたG3・富士Sでは4番人気で出走だったが、1番人気のスピードワールドでも3.5倍と割れた人気だった。先団から直線抜け出すと、差を詰めたプレストシンボリをクビ差抑えて優勝。秋3連勝での重賞初制覇となった。

その後はマイルG1を視野に入れ、早めの休養に入った。
古馬になると、OP特別・谷川岳Sで始動。1番人気に支持されるも、ナリタプロテクターにクビ差競り負け2着に敗退。

次走は京王杯SC。安田記念を目標にしていたエアジハードにとって、賞金を上積みするためにも最低2着が要求された。
マイル王・タイキシャトルが引退し、主役不在となっていたマイル戦線だったが、同じく5歳でグランプリ有馬記念を制したグラスワンダーが1番人気で出走してきた。
エアジハードはこのレースから蛯名騎手を新パートナーに4番人気。2番手から直線で抜け出すも、上がり3F33.3秒の末脚で追い込んだグラスワンダーに3/4馬身差屈し2着に惜敗する。
それでも賞金上積みに成功し、G1・安田記念に駒を進めた。

前哨戦でグラスワンダーの決め手に屈した陣営はこれまでの先行策ではなく、グラスワンダーより後ろからレースを進める作戦を立てる。グラスワンダーが直線抜け出すと、その後ろからレースを進めたエアジハードがメンバー最速の上がり3F35.1秒で差を詰め、ゴール前僅かにハナ差グラスワンダーを交わして優勝。G1初制覇を遂げた。

その後は休養。秋は毎日王冠から始動するプランもあったが、体制が整わず、天皇賞(秋)で復帰。初めての距離2000m、休み明けと不安要素はあったが、スペシャルウィークから0.2秒差の3着に好走する。

秋初戦で好スタートを切ったエアジハード。次走、秋の最大目標・マイルCSでは単勝2.2倍の1番人気で出走。
ブラックホーク、キョウエイマーチが強敵と見られていた。中団追走から直線ブラックホークを捕らえて抜け出すと、追いすがるキングヘイローに1馬身半差をつけ優勝。春秋マイル王の座に着いた。

その後は選出された香港国際Cに向け調整されていたが、直線になり屈腱炎を発症し、レースを回避。
マイルCSを最後に現役引退が決まった。

99年は春・秋のマイルG1を制した活躍が評価され、JRA賞最優秀短距離馬、最優秀父内国産馬に選出された。

■引退後
引退後は、00年から社台スタリオンステーションで種牡馬入り。
サクラユタカオーの後継種牡馬として注目を集め、初年度は113頭の種付けを行った。
その後も73頭、109頭、97頭と人気だったが、デビューした産駒の成績がもうひとつだったこともあり、04年には34頭に減少。
03年にはブリーダーズスタリオンステーション、05年からはレックススタッドへ移動した。
しばらく活躍馬を出せずにいたが、産駒デビューから5年目の07年に、アグネスラズベリが函館スプリントSを制覇。産駒の重賞初制覇となった。
翌08年にはナナヨーヒマワリがダートG3・マーチSを優勝。
10年にはショウワモダンがダービー卿CT、メイSを連勝。続く安田記念も制し、産駒のG1初制覇とともに、安田記念親仔制覇を達成した。
07年には14頭にまで種付け頭数が減ったが、その後は34頭、34頭、昨年も22頭への種付けを行っている。