週刊あの馬は今!?


第63回:アストンマーチャン
■牡 2004/3/6生れ
■血統
父アドマイヤコジーン
母ラスリングカプス(Woodman)

■戦績
06年7月:小倉/新馬戦:2着
06年8月:小倉/未勝利:1着
06年9月:小倉/小倉2歳S:1着
06年11月:京都/ファンタジーS:1着
06年12月:阪神/阪神JF:2着
07年3月:阪神/フィリーズレビュー:1着
07年4月:阪神/桜花賞:7着
07年8月:小倉/北九州記念:6着
07年9月:中山/スプリンターズS:1着
07年10月:京都/スワンS:14着
08年2月:京都/シルクロードS:10着

通算:11戦5勝(重賞4勝)

デビュー戦は7月の小倉芝1200m戦。武豊騎手鞍上でシャルマンレーヌに次ぐ2番人気での出走。中団からメンバー最速の上がり3F34.3秒で差をつめたがシャルマンレーヌにクビ差及ばず2着に惜敗。
2戦目の未勝利戦では和田騎手に乗り替わり単勝1.3倍の人気に推されると2番手から抜け出し優勝。2戦目で勝ち上がった。

次走は重賞小倉2歳Sへ。鮫島騎手鞍上で3番人気での出走。2番手から早めに先頭に立つと、後続を寄せ付けず、2着ニシノマオに2馬身半差をつけ完勝した。この勝利は鞍上の鮫島騎手とともに重賞初勝利となった。

2連勝としたその後は武豊騎手に手綱が戻りファンタジーSへ。これまでの3戦すべて1200m戦ということもあり、距離が1F延びたここでは3番人気にとどまった。しかし、中団からレースを進めると、直線鋭く抜け出し、2着イクスキューズに5馬身差をつける圧勝で距離不安を払拭した。さらに勝ち時計1.20.3は2歳レコードタイムで一気に2歳女王への主役へと躍り出た。

迎えたG1・阪神JFでは単勝1.6倍の圧倒的1番人気。しかし3番手からレースを進め直線伸びるもさらに後ろからレースを進めたウオッカの豪脚にクビ差屈し2着に惜敗した。

07年はフィリーズレビューで始動。同じ1400m戦のファンタジーSでの圧勝、楽な相手関係もあり単勝1.1倍の1番人気に推された。レースも好位から直線後続を突き放し2着アマノチェリーランに2馬身半差をつけ優勝。重賞3勝目を挙げ、桜花賞へ向けて好スタートを切った。

迎えた桜花賞。1番人気は阪神JFでも先着を許したウオッカで1.4倍と圧倒的な支持を集めた。アストンマーチャンは5.2倍の2番人気、ダイワスカーレットが5.9倍で続き、4番人気はショウナンタレントの34.7倍と3強の様相を呈していた。
アストンマーチャンは好スタートから2番手を追走。ダイワスカーレットがその後を続き、ウオッカは6,7番手からのレースとなった。しかし、道中かかり気味だったアストンマーチャンは直線を迎えると早々と脱落。ダイワスカーレット、ウオッカ2頭の競り合いから大きく離れた7着に終わった。

その後はNHKマイルC、オークスともに見送り春シーズンは早々と終えて休養に入った。

その後はスプリンターズSを目標に北九州記念で復帰。岩田騎手とのコンビで挑んだが、6着に終わり人気を裏切った。

一叩きされて迎えたスプリンターズSは中舘騎手とのコンビで出走。3番人気だった。
雨が降る不良馬場でのレースとなったが、好スタートを切ったアストンマーチャンは先手を奪うと、そのまま後続の追撃を封じ、1番人気サンアディユに3/4馬身差をつけ逃げ切り勝ち。古馬を抑えてG1初勝利を飾った。3歳牝馬としては15年ぶりとなるスプリンターズS制覇だった。

続くスワンSでも同様に逃げ込みを図ったが、距離延長が響いたか14着に大敗した。

暮れには香港遠征も予定されていたが、馬インフルエンザの影響で回避。放牧に出され、翌年に備えられた。

桜花賞以来となる武豊騎手とのコンビでシルクロードSで復帰。好スタートから先手を奪うも直線ずるずる後退し10着に終わる。

その後は春の目標高松宮記念に向けて調整が続けられていたが、体調を崩し同レース回避が発表された。
その後X大腸炎を発症し栗東トレーニングセンター診療所で治療されたが、4月21日、急性心不全のため死亡した。

高級車アストンマーチンと馬主の愛称をもじった可愛らしいネーミングにピッチ走法が個性的で人気の高かったアストンマーチャン。残念ながら産駒を残すことはできなかったが、見るものに深い印象を与えたサラブレッドだった。

2011.9.27