週刊あの馬は今!?


第91回:ビッグバイアモン
■牡 1993/4/16生れ
■血統
父バイアモン
母ブラダマンテ(Roberto)
半姉スティルインラブ(桜花賞、オークス、秋華賞)
中尾正厩舎

■戦績
96年4月:新潟/4歳未出走:1着
96年5月:東京/プリンシパルS:3着
96年6月:東京/ほうせんか賞:1着
96年6月:中山/ラジオたんぱ賞:1着
96年9月:阪神/神戸新聞杯:5着

通算5戦3勝(重賞1勝)

※馬齢は旧年齢です。

母は米国で産まれ、1990年に日本へ輸入された。
ビッグバイアモンは3番目の仔ども。
7年後、サンデーサイレンスとの間に産まれた仔が牝馬三冠を達成するスティルインラブである。

デビューは遅れ、4歳4月の新潟ダート1000m戦。
鞍上は宝来騎手で単勝1.9倍の1番人気に支持された。
好スタートから2番手を追走すると、逃げたクラウドメアリーを捕らえ、3馬身1/2差をつけ圧勝。デビュー勝ちを果たした。

次走はこの年から新設されたダービートライアル・プリンシパルS(当時芝2200、2着までダービーへの優先出走権)に挑戦する。鞍上は蛯名騎手。
初芝、一気の距離延長、ダンスインザダークをはじめとした相手強化となり6番人気だった。
厳しい条件が揃った一戦だったが、先手を奪ったビッグバイアモンは直線もしぶとく粘り、勝ち馬ダンスインザダークには完敗したものの、2着トピカルコレクターとはクビ差の接戦を演じた。

デビュー2戦目での好走で一躍注目を集めることとなったビッグバイアモン。
次走500万条件ほうせんか賞(芝2000)に単勝1.8倍の1番人気で出走すると、スピードの違いで圧倒。2着ダイワセキトに6馬身差をつける圧勝で逃げ切った。

その後は重賞初挑戦となるラジオたんぱ賞に出走。
この年は中山競馬場で行われたこともあり、NHKマイルC2着のツクバシンフォニー、皐月賞・ダービー3着のメイショウジェニエ、京都4歳特別勝ちのザフォリア、青葉賞2着のカシマドリーム、さらには後にオールカマーなど重賞5勝を挙げるダイワテキサスと、G3としてはメンツの揃った一戦だった。
ここでも積極的にハナを奪ったビッグバイアモンは直線差を詰めるライバルに交わされることなく、2着カシマドリームを半馬身差抑えて逃げ切り勝ち。重賞初制覇を飾った。

圧倒的なスピードで秋にはG1戦線の主役を期待されたビッグバイアモン。
始動戦は菊花賞トライアル・神戸新聞杯。
単勝1.4倍の圧倒的1番人気。勝ち方に注目が集まる一戦となった。
しかし。
いつものように軽快な逃げの展開に持ち込んだが、直線いつもの加速がなく後退。勝ち馬シロキタクロスから0.9秒離された5着に敗れてしまった。
さらにレース後、異常を感じた蛯名騎手が下馬するアクシデントが発生。
検査の結果、左前屈腱断裂という重傷で競走能力喪失の診断で、現役引退を余儀なくされた。

■引退後
見るものを引きつけるスピード能力でファンを沸かせたビッグバイアモンだったが、勲章はG3が1つのみと、種牡馬入りは叶わず。
引退後は乗馬クラブに引き取られることになったが、脚の怪我は思わしくなく乗馬となれたかは不明である。一部では種牡馬の可能性を残すため去勢されなかったとも。その後、その乗馬クラブを出てからは行方不明となっている。

2012.5.14
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