■牝 2004/5/13生れ
■血統
父アグネスタキオン
母スカーレットブーケ(ノーザンテースト)
松田国英厩舎
■戦績
06年11月:新馬/安藤勝/1着
06年12月:中京2歳S/安藤勝/1着
07年1月:シンザン記念/安藤勝/2着
07年3月:チューリップ賞/安藤勝/2着
07年4月:桜花賞/安藤勝/1着
07年9月:ローズS/安藤勝/1着
07年10月:秋華賞/安藤勝/1着
07年11月:エリザベス女王杯/安藤勝/1着
07年12月:有馬記念/安藤勝/2着
08年4月:大阪杯/安藤勝/1着
08年11月:天皇賞・秋/安藤勝/2着
08年12月:有馬記念/安藤勝/1着
通算12戦8勝(重賞6勝)
母スカーレットブーケは現役時代に札幌3歳S、クイーンC、京都牝馬特別、中山牝馬Sの重賞4勝を挙げた。母としてもダイワスカーレットの他にスリリングサンデー、グロリアスサンデー、ダイワルージュ(新潟3歳S)、ダイワメジャー(皐月賞など)、レットバトラー、ブーケフレグランスらの活躍馬を輩出した名牝である。
デビュー戦は06年11月の京都芝2000m。安藤勝騎手とのコンビで単勝1.8倍の1番人気での出走。2番手から早め先頭に立つと、2着コスモグルミットに1.3/4馬身差をつけ楽勝した。
続くOP特別・中京2歳Sには、こちらも良血アドマイヤオーラが出走。ダイワスカーレット2.2倍、アドマイヤオーラ2.5倍と人気を分け合った。ダイワスカーレットが終始2番手を追走し、アドマイヤオーラは中団。逃げたゴールドキリシマを交わし差を広げると、懸命に差を詰めたアドマイヤオーラを1/2馬身差抑えて優勝。デビュー2連勝とした。
3歳初戦はシンザン記念。またしてもアドマイヤオーラとの対戦となった。3番手からレースを進めたがアドマイヤオーラの徹底マークにあい、1馬身半差の2着に敗退。初黒星を喫した。
次走のチューリップ賞では2歳女王・ウオッカとの初対戦となった。好スタートから先手を奪い直線はウオッカとの一騎打ちとなったがクビ差及ばず2着に惜敗。それでも3着レインダンスには6馬身差の差をつけてのマッチレースは見応え十分だった。
迎えた桜花賞。ウオッカが1.4倍の圧倒的人気でダイワスカーレットはアストンマーチャンに続く3番人気だった。前哨戦で勝負付けが済んだかに思われたが、今度はダイワスカーレットがウオッカと馬体を併せず先に抜け出すとウオッカに1馬身半差をつけ優勝。前走の雪辱を果たし、兄ダイワメジャーとの兄妹クラシック制覇を達成した。
次走に予定していたオークスではライバル・ウオッカがダービーへ進んだため大本命とみられていたが感冒のため回避。秋に備えることとなった。
秋の始動戦はローズS。オークス2着のベッラレイアが出走してきたが同馬に半馬身差をつけ逃げ切り勝ちを収めた。
次走の秋華賞ではダービー馬となったウオッカと3度目の対決となった。人気を分けたウオッカ、ベッラレイアが後方からレースを進める中、好スタートから2番手につけたダイワスカーレットが4角手前で先頭に立つ早めの競馬で後続を封じ1着でゴール。3連勝でG1・2勝目を挙げた。
その後は古馬牝馬との対戦となるエリザベス女王杯へ向かった。ウオッカと4度目の対戦だったが、ウオッカがレース当日に出走を取り消したためダイワスカーレットが1.9倍の圧倒的人気となった。
好スタートから先手を奪うと、前年の優勝馬フサイチパンドラを3/4馬身差抑えて逃げ切り勝ち。古馬牝馬を打ち破りG1・3勝目を挙げた。
さらに年末には有馬記念に挑戦。ウオッカも出走しており4度目の対戦、さらにはダイワメジャーとの兄姉対決となった。古馬牡馬との初対戦ということもあり5番人気に留まった。
2番手から早め先頭の展開に持ち込んだが、中山巧者のマツリダゴッホに交わされ2着に敗れ連勝は4でストップしたが、3着だったダイワメジャーには先着を果たした。
この年は桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯とG1を3勝、有馬記念でも2着に好走しダービーを制したウオッカを抑えて最優秀3歳牝馬、最優秀父内国産馬に輝いた。
古馬となったダイワスカーレットは、ドバイ遠征が計画され、ステップレースにダートのフェブラリーSが予定された。
しかし調教中に目を負傷。遠征は白紙となり、春はヴィクトリアマイルを目標に復帰戦は大阪杯となった。
好スタートから先手を奪うとそのまま後続を封じ逃げ切り勝ち。
順調なスタートを切ったがその後骨瘤を発症。春シーズンは休養に充てることとなった。
完治に手間取り秋は天皇賞へぶっつけ出走。ウオッカとは5度目の対戦となった。
半年ぶりのレース、、初の東京コースということもありウオッカに次ぐ2番人気。先手を奪い自分のレースに持ち込み直線へ。手応え良く伸びたが、中団から徐々に差を縮めるウオッカにゴール寸前わずか2cm交わされ2着に惜敗した。
天皇賞・秋は完調手前ながら僅差の2着だったこともあり次走の有馬記念では1番人気に支持された。
好スタートから逃げる展開。最後の直線も後続を寄せ付けずに脚を伸ばすと、2着アドマイヤモナークに1.3/4馬身差をつけ完勝。前年敗れたマツリダゴッホはスタート悪く後方から伸びを欠き12着に惨敗した。
この年はG1・1勝、2着1回、G2・1勝の好成績だったが、怪我の影響もあり出走回数が3回のみで最優秀4歳以上牝馬、年度代表馬ともにウオッカに譲った。
前年、目の怪我のため断念したドバイ遠征だったが、5歳シーズンも再度フェブラリーSからドバイWC挑戦プランが立てられた。しかし、フェブラリーSの1週前追い切り後に今度は屈腱炎を発症。世界制覇の夢は叶わず現役引退が決まった。
デビューから12戦8勝、2着4回と全レースで連対という安定感を見せたダイワスカーレット。乗り替わりが頻繁な今ではあまりなくなったが全レースで安藤勝騎手が手綱を取った名コンビであった。
■引退後
現役引退後は社台ファームで繁殖入り。
初年度はチチカステナンゴが交配され、2010年3月に初仔となる牝馬を出産。第2仔は父キングカメハメハの牝馬である。
初仔はダイワレーヌと名付けられ、既に母と同じ松田厩舎に入厩。鞍上は残念ながら安藤勝騎手ではなく福永騎手となったがデビュー戦へ向け調整が続けられている。
2012.10.9