週刊あの馬は今!?


第69回:エリモシック
■牝 1993/3/19生れ
■血統
父ダンシングブレーヴ
母エリモシューティング(テスコボーイ)
沖芳夫厩舎

■戦績
96年3月:阪神/新馬戦:4着
96年3月:阪神/新馬戦:1着
96年4月:阪神/はなみずき賞:1着
96年4月:東京/4歳牝馬特別:3着
96年5月:東京/オークス:6着
96年9月:函館/津軽峡特別:5着
96年10月:京都/嵯峨野特別:1着
96年10月:京都/秋華賞:2着
96年11月:京都/エリザベス女王杯:8着
97年5月:京都/都大路S:6着
97年5月:中京/テレビ愛知OP:10着
97年6月:阪神/マーメイドS:7着
97年8月:札幌/札幌日経OP:3着
97年8月:札幌/札幌記念:2着
97年10月:東京/府中牝馬S:4着
97年11月:京都/エリザベス女王杯:1着
98年4月:阪神/大阪杯:5着

通算:17戦4(重賞1勝)

※馬齢は当時の表記です。

デビューは4歳3月と遅れ、初戦は渡辺薫騎手が騎乗し、単勝59.1倍の8番人気とまったく人気がなかった。
それでも直線よく伸び勝ち馬から0.5秒差の4着に入ると、河内騎手に乗り替わった2戦目できっちりと勝ち上がった。

続く500万特別・はなみずき賞を1番人気に応えて連勝すると、4歳牝馬特別へと駒を進めた。

オークスへの出走権をかけて挑んだトライアルでは近2走の決め手が評価され、単勝2.9倍の1番人気に支持された。

ゆったりとしたペースを後方追走し、上がり3Fメンバー最速の33.6秒の末脚で差を詰めるも勝ったセンターライジングから0.4秒差の3着までが精一杯だった。それでもオークスへの優先出走権はなんとか獲得した。

桜花賞を熱発で回避したエアグルーヴが1番人気に支持され、エリモシックは5.5倍の2番人気。
例のごとく後方からレースを進め直線じりじりと差を詰めたが、勝ったエアグルーヴから0.6秒差の6着に終わった。

3月デビューながらオークス出走にまでこぎつけたエリモシックだったが、まだ2勝馬で900万条件の身。夏場は自己条件戦に使われた。

函館の津軽海峡特別は5着に敗れたが、京都の嵯峨野特別を勝って秋は再びG1に挑戦する。

オークス馬エアグルーヴが1.7倍の圧倒的人気に支持され、エリモシックは3番人気ながら単勝は15.1倍だった。
ハイペースで前が引っ張る展開を後方追走。直線に向くとメンバー最速の上がり3F35.5秒の末脚で追い込んだが、先行押し切りの強い競馬を見せたファビラスラフインから1馬身半差の2着までだった。

次走は古馬相手となるエリザベス女王杯。ここは相手が強く、ダンスパートナーから0.5秒差の8着だった。

その後は休養に入り、復帰戦は古馬となって5月のオープン特別都大路S。休み明けのこのレースで6着に終わると、続くオープン特別テレビ愛知OPでも10着に敗れる。

OP特別での敗戦が続き、G3マーメイドSでも7着に敗れたエリモシック。
その後は札幌へ遠征し、主戦の河内騎手から的場均騎手へと乗り替わりとなった。
札幌日経OPで3着に好走し復活の兆しを見せると、続く札幌記念ではエアグルーヴの2着に好走した。

秋はエリザベス女王杯に狙いを定めると前哨戦・府中牝馬Sへ。
後方から鋭く追い込んだが、流れが向かずクロカミの4着に敗れた。

そして迎えたエリザベス女王杯。
前年の覇者で連覇を狙うダンスパートナーが1.4倍の圧倒的1番人気を集めた。
エリモシックはメジロランバダに続く3番人気。
相手は1頭と判断した鞍上的場騎手はダンスパートナーの背後をぴたりと追走。ダンスパートナーに合わせて追い出して伸びると、ゴール前でクビ差だけ交わして優勝。悲願のG1制覇を成し遂げた。
相手を絞ったスナイパー的場騎手の好騎乗だった。

引退レースは翌年の大阪杯。ラストランは5着だったが、またしても同期のエアグルーヴが勝ち馬だった。

■引退後
引退後は繁殖入り。
ブライアンズタイム、トニービン、サンデーサイレンスと一流種牡馬が付けられたが期待に応える活躍を見せることはできなかった。
それでも06年生まれのダノンエリモトップ(父キングカメハメハ)は5勝を挙げた。
その後は3年間産駒がいなかったが、昨年父シンボリクリスエスの牡馬が生まれ、2歳となる来年のデビューを目指す。

自信の産駒に目立った活躍馬はまだ出せていないが、エリモシックの全妹となるエリモピクシーはリディル(デイリー杯2歳S、スワンS)、クラレント(デイリー杯2歳S)と2頭の重賞ウイナーを出しており、エリモシックにも期待がかかる。

2011.11.8