■牡 1993/04/13生れ
■血統
父FabulousDancer
母Mercalle(Kaldoun)
■戦績
96年2月:阪神/新馬戦:1着
96年3月:阪神/さわらび賞:1着
96年4月:東京/NZT4歳S:1着
96年5月:東京/NHKマイルC:14着
96年10月:京都/秋華賞:1着
96年11月:東京/ジャパンC:2着
96年12月:中山/有馬記念:10着
通算:7戦4勝(重賞2勝)
馬齢は当時の表記です。
フランス生まれの外国産馬。
デビュー戦は4歳になって2月と遅かった。藤田騎手を背に3番人気で出走。2番手を追走し、直線抜け出すと、2着馬に7馬身の差をつけ圧勝。
続くさわらび賞は1番人気に推されると2着ナリタプロテクターに5馬身差をつけここでも圧勝した。
2連勝の勢いに乗って3戦目で早くも重賞に挑戦。アーリントンC勝ちのスギノハヤカゼ、シンザン記念勝ちのゼネラリスト、朝日杯FS2着のエイシンガイモンらの牡馬相手に1番人気に支持されたことからも、期待の大きさが窺えた。
レースはスピードの違いでハナを奪うと、エイシンガイモンの追撃を封じ、デビュー3連勝で重賞制覇を遂げた。
当時、外国馬にはクラシックへの開放がされていなかったため、その後は必然的にNHKマイルCが目標になった。
この年が第1回目となったNHKマイルCで単勝2.3倍の1番人気に支持される。
レースではいつものように前に取り付くが、バンブーピノが1000m56秒台のハイペースに、2番手を追走したファビラスラフインも巻き込まれ、直線ずるずる後退し14着に大敗。初黒星を喫する。
今でこそ馬場の高速化もあり、1分32秒台も出やすくなったが、勝ったタイキフォーチュンの勝ち時計1.32.6は当時の4歳馬としては破格のタイムであった。
夏場は立て直しのため、休養。
秋はこちらも第1回目となる秋華賞を目標に調整された。
主戦の藤田騎手がロゼカラーに騎乗したため、このレースから松永幹夫騎手が手綱を取ることになる。
このレースはオークス馬エアグルーヴが単勝1.7倍の圧倒的1番人気に推され、2着探しのレースと言われた。
ファビラスラフインはNHKマイルC大敗後の休み明けとあり、単勝18.8倍の5番人気に留まった。
逃げたシルクスプレンダーが1000m58秒台のハイペースで進む。ファビラスラフインは好位の3番手を追走した。春同様、ハイペースに巻き込まれたかに見えたが、しっかりと折り合うと、直線そのまま抜け出し、後方から追い込んだエリモシック、ロゼカラーらの追撃を振り切って優勝。コースレコードにコンンマ1秒差の1.58.1での勝利で、このタイムは現在でもレースレコードである。ハイペースを早めに先頭に立ち、そのまま押し切るというスピード、スタミナの両方の性能を見せ付けたレースとなった。なお、エアグルーヴはレース中の骨折もあり、10着に大敗した。
次走は牝馬同士のエリザベス女王杯でG1・2勝目を狙うかに思われたが、古馬牡馬・外国馬相手のジャパンカップが選択される。
凱旋門賞馬エリシオやキングジョージの勝ち馬ペンタイア、BCターフ2着のシングスピール、4歳で天皇賞・秋を制した日本の総大将バブルガムフェローら強敵相手ということもあり、7番人気と低評価だった。
いつものように好位の2,3番手を積極的に追走。直線1番人気のエリシオを振り切ると、そのまま脚を伸ばす。そのまま押し切るかと思われたが、猛追したシングスピールとの追い比べでハナ差競り負け2着。敗れはしたものの、4歳牝馬にして世界の強豪相手に互角に渡り合った内容は高く評価された。
その後はジャパンカップの激走の疲れも懸念されたが、有馬記念に出走。サクラローレル、マヤノトップガン、マーベラスサンデーの3強に次ぐ4番人気に支持されるが、いつものスピード感は影を潜め、勝負所で後退すると、サクラローレルの10着に大敗。
レース後、屈腱炎が判明し、そのまま引退、繁殖入りとなる。
なお、秋華賞制覇、ジャパンカップ2着に内容が評価され、同年のJRA最優秀4歳牝馬に輝いた。
■引退後
引退後は社台ファームで繁殖入り。
初年度からサンデーサイレンスやエルコンドルパサーなどと種付けをされ、繁殖牝馬としても期待されたが、目立った活躍馬は送り出せていない。
初子のファビラスキャット(サンデーサイレンス)は1勝して半鐘入り、2頭目のシュペリユール(サンデーサイレンス)は5勝を長く競走を続け5勝を挙げて繁殖入りした。
05年産のファビラスボーイ(ジャングルポケット)はデビューから2連勝し、その後の活躍が期待されたが、今年2月の500万下を勝って3勝目を挙げるに留まっている。
今年2歳の産駒にはギュスターヴクライという牡馬がいる。父は飛ぶ鳥を落とす勢いのハーツクライと期待が高まる。