週刊あの馬は今!?


第107回ファレノプシス
■牝 1995/4/4生れ
■血統
父ブライアンズタイム
母キャットクイル(StormCat)
浜田光正厩舎

■戦績
97年11月:新馬戦/石山/1着
97年12月/さざんか賞/石山/1着
98年2月:エルフィンS/石山/1着
98年3月:チューリップ賞/石山/4着
98年4月:桜花賞/武豊/1着
98年5月:オークス/武豊/3着
98年9月:ローズS/武豊/1着
98年10月:秋華賞/武豊/1着
99年3月:マイラーズC/松永幹夫/10着
99年5月:京王杯SC/武豊/5着
99年8月:札幌記念/武豊/2着
99年11月:エリザベス女王杯/武豊/6着
99年12月:有馬記念/蛯名/8着
00年4月:阪神/マイラーズC/熊沢:10着
00年8月:札幌記念/松永幹夫/7着
00年11月:エリザベス女王杯/松永幹夫/1着

通算16戦7勝(重賞4勝)

※馬齢は当時の表記です。

母キャットクイルはナリタブライアンを輩出したパシフィカスの半妹。
半弟はノースヒルズマネジメントで生産され、アメリカで競走生活を送り日本産馬初の米重賞勝ちを収めたサンデーブレイク。

元々体質が強くなく、デビュー戦は脚元を考慮してダート1200m戦であった。鞍上は浜田厩舎所属の若手・石山繁騎手。単勝2.2倍の1番人気に支持されると、後続をまったく寄せ付けず2着に9馬身差をつける圧勝でデビュー戦を飾った。

その後は芝のレースを使われることとなり、2戦目のさざんか賞も2着アマートベンに2馬身半差をつけ快勝。
年明けのOP特別・エルフィンSも2着マルカコマチに1.1/4馬身差をつけV。デビュー3連勝を飾りクラシック有力候補に躍り出た。

4戦目。桜花賞トライアル・チューリップ賞には3歳女王・アインブライド、シンザン記念を勝って挑んだダンツシリウスが出走してきたが、ファレノプシスが1番人気に支持された。
しかし、スタートで後手を踏むと直線も窮屈になりダンツシリウスの4着に敗退。初黒星を喫した。

この敗戦がきっかけで本番・桜花賞では武豊騎手へと鞍上は乗り替りとなった。
ダンツシリウス、エイダイクインに続く3番人気での出走。
中団前目につけると、直線逃げ粘るロンドンブリッジを1.1/4馬身差捕らえて差し切り勝ち。トライアル4着から見事に巻き返し、G1初制覇を飾った。
この勝利は生産者兼馬主である前田幸治氏にとっても初のG1制覇であった。

2冠を狙ったオークスは1番人気ながら距離延長への不安もささやかれていた。
それもあってか道中は後方を追走し直線にかける競馬。同じく後方から進めたエアデジャヴーとともに鋭く差を詰めたが、捕らえ切ることはできずエリモエクセル、エアデジャヴーに続く3着に終わった。

夏場は休養し、秋はローズSで始動。単勝1.6倍の圧倒的1番人気での出走であった。
好スタートから2番手に取りつくと、直線抜け出し、2着ビワグッドラックをクビ差抑えて優勝。秋初戦を勝利で飾った。

秋の目標であった秋華賞には同じく(当時は中山で行われた)ステップレース・クイーンSを勝ったエアデジャヴーも出走。人気は譲ったものの、後方からまくる競馬で早め先頭に立つと、後続を抑えて優勝。桜花賞に次ぐG1・2勝目を挙げた。

その後はジャパンCなども視野に入れられていたが状態が整わず4歳シーズンを終えた。
なお、この年は最優秀4歳牝馬に選出されている。

明け5歳となり古馬初戦はマイラーズC。初の古馬、牡馬相手ということもあり5番人気だった。中団につけて直線にかけたが、+10キロの馬体重もあってか伸びを欠き10着に敗退。はじめて掲示板を外す大敗となった。

次走の京王杯SCではグラスワンダーから0.2秒差の5着に入り、復調を思わせたが、目標の安田記念を前に熱発を発症し回避することになった。

一息入れられて夏場は札幌記念へ出走。セイウンスカイから0.1秒差の2着に好走した。

秋はエリザベス女王杯にぶっつけでの出走となったが、単勝1番人気での出走だった。
中団につけたファレノプシスだったが、直線はもう一つ伸びきれずメジロドーベルの6着に敗れた。

その後は蛯名騎手とのコンビで有馬記念に出走するも相手が強くグラスワンダーから0.9秒離された8着に終わり、5歳シーズンは結局勝ち星を挙げることができなかった。

翌シーズンも現役を続行。
デビュー戦をダートで圧勝したこともありフェブラリーSを予定していたが、じんましんを発症し回避。マイラーズCで始動するも10着に大敗した。

その後は脚部不安を発症し、復帰は札幌記念。1番人気での出走だったが7着に敗れた。

その後球節炎を発症し、目標だったエリザベス女王杯には前年同様札幌記念からのぶっつけでの出走となった。
それでも復活を望むファンは多く3番人気での出走であった。
トゥザヴィクトリーが逃げる展開でスローペースの5,6番手を追走。上がり3F33.6秒の末脚で直線伸びると、ゴール前で粘るフサイチエアデールを1/2馬身差差し切って優勝。4歳で制した秋華賞以来約2年ぶりの勝利で引退レースを飾った。

6歳シーズンはエリザベス女王杯の1勝だけではあったが、2000年最優秀5歳以上牝馬にも選出された。

■引退後
引退後はノースヒルズマネジメントで繁殖入りした。
初年度、2年目とサンデーサイレンスが交配されたが初仔のスパンゴールドが1勝を挙げただけで期待に応えられなかった。
その後もSS系種牡馬が交配された。
5番仔アディアフォーン(父ダンスインザダーク)が3勝を挙げ08年ファンタジーS3着。
6番仔ラナンキュラス(父スペシャルウィーク)がデビュー2連勝し、10年フィリーズレビュー2着とそれなりの活躍を見せた。

7番仔アワーグラスまですべて牝馬を出産していたが、2011年生れの8番仔は父マンハッタンカフェでファレノプシス初の牡馬が誕生。来年以降のデビューとなるが、母に近づく活躍を見せることができるか。

またファレノプシスの半弟で今年デビューを予定しているキズナ(父ディープインパクト)はノースヒルズの評判馬でこちらも活躍が期待される。

2012.9.11
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