週刊あの馬は今!?


第101回:ヘヴンリーロマンス
■牝 2000/3/5生れ
■血統
父サンデーサイレンス
母ファーストアクト(Sadler'sWells)
山本正司厩舎

■戦績
02年11月:阪神/新馬戦:6着
02年12月:阪神/新馬戦:3着
03年1月:京都/未勝利:2着
03年1月:京都/未勝利:1着
03年5月:中京/500万下:2着
03年6月:函館/遊楽部特別:2着
03年7月:函館/陸奥湾特別:3着
03年7月:函館/500万下:1着
03年8月:函館/かもめ島特別:2着
03年9月:阪神/ローズS:6着
03年10月:京都/1000万下:1着
03年11月:京都/エリザベス女王杯:10着
03年12月:阪神/ゴールデンホイップT:2着
03年12月:阪神/オリオンS:2着
04年3月:阪神/但馬S:3着
04年4月:阪神/難波S:8着
04年5月:東京/メイS:1着
04年6月:中京/愛知杯:10着
04年7月:マーメイドS:5着
04年10月:東京/府中牝馬S:7着
04年11月:東京/ユートピアS:4着
04年11月:京都/古都S:2着
04年12月:阪神/ゴールデンホイップT:1着
04年12月:阪神牝馬S:1着
05年1月:京都/京都牝馬S:6着
05年2月:東京/フェブラリーS:11着
05年3月:中山/中山牝馬S:10着
05年4月:福島/福島牝馬S:10着
05年8月:札幌/クイーンS:2着
05年8月:札幌/札幌記念:1着
05年10月:東京/天皇賞・秋:1着
05年11月:東京/ジャパンC:7着
05年12月:中山/有馬記念:6着

通算33戦8勝(重賞3勝)

半兄に中日スポーツ賞4歳S4着などのミスタービッグベンがいるが、きょうだいに目立った活躍馬はいない。

デビュー戦は2歳11月の阪神。松永幹夫騎手騎乗で単勝5番人気だった。中団から徐々に差を詰めるも後の牝馬3冠馬スティルインラブから1秒離された6着に敗れた。

続く折り返しの新馬戦、3戦目を3,2着すると、4戦目ダート1800m戦では単勝1.0倍の元返しの人気に応え快勝。初勝利を挙げた。

その後は一息入れられ、自己条件で再出発。
中京の500万平場を2着とし、函館へ遠征。7月の500万条件を勝ち2勝目を挙げた。
その後函館でさらに1戦し、秋は重賞初挑戦となるローズSへ。
スティルインラブ、アドマイヤグルーヴら強豪が出走し、ヘヴンリーロマンスは7番人気。中団からレースを進めたが、勝ち馬アドマイヤグルーヴから1秒離された6着に敗退した。

次走の1000万条件を勝ち賞金を加算すると、その後はG1・エリザベス女王杯に挑戦。
中団から直線の瞬発力勝負となったがここではまだ力不足で10着に終わった。

その後は準オープンで常に人気に支持されるも惜敗が続いた。
それでも4歳5月のメイS(当時準OP)を上がり3F33.1秒の末脚で差し切り4勝目を挙げる。

オープン入り後は牝馬重賞に挑戦するも10,5,7着。

準オープンに降級したが、4歳暮れのゴールデンホイップTを勝って再度のオープン入り。

中1週で挑んだ阪神牝馬Sでは3番人気での出走。
中団から徐々にポジションを上げると直線鋭く伸びて先頭でゴール。2着メイショウバトラーに1馬身差をつけての重賞初制覇となった。

2連勝とし5歳シーズンの活躍が期待されたヘヴンリーロマンスだったが、春は苦戦。
京都牝馬Sで6着に敗れると、2桁着順が続く。
ローカルの福島牝馬Sで10着に敗れると、一息入れられる事に。

リフレッシュ放牧明けとなったクイーンSでは+14キロの馬体重で10番人気と低評価だった。それでも中団からしぶとく差を詰めると、、先に抜け出したレクレドールからハナ差2着に好走した。

牡馬相手となった次走の札幌記念では9番人気と引き続き評価は低かったが、直線鋭く伸びて後方から猛追したファストタテヤマの追撃をアタマ差抑え優勝。重賞2勝目を挙げた。

2戦続けて重賞で好走したヘヴンリーロマンスは秋の目標を天皇賞に置いた。

前年の天皇賞、JC、有馬記念を3連勝したゼンノロブロイが1番人気。ヘヴンリーロマンスは札幌記念勝ちがフロック視され単勝75.8倍の14番人気に留まった。
1番枠に入ったヘヴンリーロマンスは内々をロスなく追走。スローペースの上がり勝負となると、上がり3F32.7秒の末脚でゼンノロブロイと並んで伸び、ゴール寸前でアタマ差前に出て優勝。エアグルーヴ以来8年ぶりの牝馬による天皇賞・秋制覇を成し遂げた。
この年は天覧競馬で、ウイニングランの後、鞍上の松永騎手はヘルメットを脱いで馬上礼。競馬界きっての紳士と言われる松永騎手だけありその様子はとても絵になった。

競走馬生活最大の激走を見せたヘヴンリーロマンス。
その後はジャパンC、有馬記念へと向かったが、7,6着に終わり現役引退が決まった。

■引退後
現役引退後は故郷ノースヒルズマネジメントで繁殖入り。
初年度から2年続けてキングカメハメハが交配された。
子供は母の主戦で現調教師松永幹夫厩舎でデビュー。
1番仔のコードゼットは2着2回、3着1回と惜しい競馬もあったが中央では勝利を挙げる事ができず、地方競馬へ転厩した。
2番仔のヴェイロンは初戦を勝利で飾ったが、その後は勝ち星を挙げる事ができず苦戦が続いている。
3番仔は現在3歳で、父がフレンチデピュティへと替った。ダートを中心に使われ、現時点で10戦1勝の成績となっている。

2010年には米国で繁殖生活を送ることが決まり、ジャングルポケットの仔を受胎したまま渡米。
今年2歳となった父ジャングルポケットのアウォーディーは○外として同じく松永幹夫厩舎に入厩。7月19日にはゲート試験にも合格。母に迫る活躍が期待される。

2012.7.24
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