週刊あの馬は今!?


第83回:クロフネ
■牡 1998/3/31生れ
■血統
父フレンチデピュティ
母ブルーアヴェニュー(ClassicGoGo)
松田国英厩舎

■戦績
00年10月:京都/新馬戦:2着
00年10月:京都/新馬戦:1着
00年12月:阪神/エリカ賞:1着
00年12月:阪神/ラジオたんぱ杯3歳S:3着
01年3月:阪神/毎日杯:1着
01年5月:東京/NHKマイルC:1着
01年5月:東京/ダービー:5着
01年9月:阪神/神戸新聞杯:3着
01年10月:東京/武蔵野S:1着
01年11月:東京/JCダート:1着

通算10戦6勝(重賞4勝)

※馬齢は当時の表記です。

アメリカ生れの外国産馬。この世代からクラシックに外国産馬の出走が開放された。

デビュー戦は3歳10月の京都芝マイル戦。松永幹夫騎手鞍上で3番人気。中団から進めたが同じように伸びたエイシンスペンサーにクビ差及ばず2着に敗れた。しかし、続く折り返しの新馬戦では単勝1.3倍の圧倒的人気に応え楽に勝ち上がった。

続く500万特別・エリカ賞も1.3倍の断然人気。好位から直線楽に先頭に立つとそのまま後続に3馬身半差をつけ楽勝。勝ちタイムは2.01.2のレコードタイムだった。

4戦目のラジオたんぱ杯3歳Sはデビュー戦を圧勝したアグネスタキオン、2連勝で札幌3歳Sを制したジャングルポケットと激突。3強を形した。人気はクロフネが1.4倍で抜けて、以下アグネスタキオン4.5倍、ジャングルポケット4.8倍と続いた。
レースはジャングルポケット、クロフネと並びその後にアグネスタキオンが続いた。クロフネ、アグネスタキオンが4角で並んで上がっていくが、直線に入るとアグネスタキオンの加速に追いつけず、さらにはジャングルポケットにも交わされ3着に終わった。
勝ち時計は2.00.8のレコードタイムで勝ったアグネスタキオンの強さばかりが印象に残る一戦となった。

その後休養を挟み、4歳初戦は毎日杯。
デビュー4戦手綱を取った松永騎手から四位騎手へと乗り替り。
単勝1.3倍の人気。2番手から直線抜け出すと、後続を突き放し2着コイントスに5馬身差をつける圧勝で重賞初勝利となった。

その後はNHKマイルCからダービーの変則2冠を狙うローテーション。
マイルCでは武豊騎手へと乗り替り。
後方追走から直線に向いてもまだ中団。先行したグラスエイコウオーとサマーキャンドルが後続を突き放し逃げ切り態勢に入っていた。直線中程でようやくエンジンがかかったクロフネが必至に差を詰める。大跳びでスピード感はないが徐々に加速するとゴール前で粘るグラスエイコウオーを半馬身差捕らえて優勝。G1初制覇を飾った。

ダービーは皐月賞まで圧倒的な強さを見せつけていたアグネスタキオンが故障によりリタイアで不在。ジャングルポケットが1番人気でクロフネが2番人気で続いた。
前走同様後方で脚をためる展開になったが、重馬場も影響したのかマイルCほどの切れはなく、勝ったジャングルポケットから0.9秒差の5着に終わった。

秋は神戸新聞杯で始動。武豊騎手が仏遠征中だったため蛯名騎手へと乗り替り。上がり馬エアエミネムに次いで2番人気での出走だった。中団からメンバー最速の上がり3F34.2秒で差を詰めたが、先に抜け出したエアエミネムから0.1秒差の3着に惜敗した。
神戸新聞杯は菊花賞トライアルであったが、当時外国産馬には優先出走権は与えられておらず、また距離適正を考慮しその後は天皇賞・秋を目指すことになった。

当時の天皇賞・秋は外国産馬の出走枠が2頭までと制限されていた。メイショウドトウが出走を表明しており、クロフネもその2頭に入る見込みだったが、急遽アグネスデジタルが出走登録を行ったため除外に。
当時はアグネスデジタルに対する非難も少なからずあったが、その天皇賞を制したのは1番人気テイエムオペラオーを差し切ったアグネスデジタルで、周囲の雑音を自ら打ち消した。

天皇賞を除外されたクロフネは適正が高いと思われていたダート戦を選択。同じ週の武蔵野Sに出走した。
鞍上は武豊騎手に戻った。初ダートだったが、行きっぷりもよく好位からレースを進めると4角手前からまくり始め直線では見る見る後続を突き放した。最後は2着イーグルカフェに9馬身差をつける圧勝。勝ちタイムは日本レコードとなる1.33.3の衝撃的な勝利だった。

ダート適正を見せたクロフネはG1・ジャパンカップダートへと向かう。
道中は中団やや後ろで折り合いをつけると3角過ぎから早くも進出。4角手前で先頭に立つと、直線は独壇場。前走同様後続をまったく寄せ付けず、前年のJCダート覇者ウイングアローに7馬身差をつける圧勝でG1・2勝目を挙げた。勝ちタイム2.05.9はまたしてもレコードタイムだった。

他を寄せ付けない圧倒的なダートでの強さでG1も制し、ドバイワールドカップなど海外G1制覇への期待が高まったクロフネだったが、その年の暮れに右前浅屈腱炎を発症。海外遠征は夢と終わり現役引退が決まった。

■引退後
現役引退後は社台スタリオンステーションで種牡馬入り。
初年度は種付け中のアクシデントもあったが、毎年150頭以上の繁殖を集める人気ぶり。ここ数年は200頭を超えている。
初年度産駒は2005年にデビュー。いきなりフサイチリシャールがG1朝日杯FSを制した。
その後もコンスタントに活躍馬を輩出し、2008年にリーディング4位に入ると、以降は5位以内をキープ。
ただ、これまで産駒は重賞15勝を挙げているが、牡馬の勝利はフサイチリシャールの3勝のみ。それ以外はすべて牝馬によるものとなっている。
G1馬はフサイチリシャールの他に、スプリンターズSを制したスリープレスナイト、カレンチャンがいる。スリープレスナイトは残念ながら昨年急死しているが、カレンチャンは今週の高松宮記念にも出走を予定しており、ますますの活躍が期待される。

2012.3.19
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