■牡 1994/4/19生れ
■血統
父ダンシングブレーヴ
母インターシャルマン(ブレイヴェストローマン)
野村彰彦厩舎
■戦績
96年11月:阪神/新馬戦:1着
96年12月:阪神/千両賞:3着
97年1月:京都/寒梅賞:1着
97年2月:京都/エルフィンS:1着
97年3月:阪神/4歳牝馬特別:1着
97年4月:阪神/桜花賞:1着
97年5月:東京/オークス:11着
97年9月:阪神/ローズS:1着
97年10月:京都/秋華賞:2着
97年11月:京都/マイルCS:2着
97年12月:中山/スプリンターズS:11着
98年3月:阪神/マイラーズC:3着
98年4月:京都/シルクロードS:11着
98年10月:京都/スワンS:6着
98年11月:京都/マイルCS:6着
98年12月:阪神/阪神牝馬特別:4着
99年1月:東京/フェブラリーS:5着
99年3月:阪神/マイラーズC:2着
99年4月:阪神/阪急杯:1着
99年5月:中京/高松宮記念:4着
99年6月:東京/安田記念:9着
99年10月:盛岡/南部杯:2着
99年11月:京都/マイルCS:5着
99年12月:中山/スプリンターズ:13着
00年1月:京都/京都金杯:1着
00年2月:東京/フェブラリーS:11着
00年3月:高知/黒船賞:3着
00年4月:阪神/マイラーズC:6着
通算28戦8勝(重賞5勝)
※馬齢は当時の表記です。
94年4月、インターナショナル牧場で生まれたキョウエイマーチは、脚部不安を抱えながらも牧場で懸命の治療が施され、96年栗東・野村厩舎に入厩した。
デビュー戦は松永幹夫騎手を背に阪神ダート1200m戦に出走。スピードの違いでハナに立つと、そのまま後続を突き放し、2着エリモシテンオーに1.7秒の大差をつける圧勝で初戦を飾った。なお、3着には後の菊花賞馬マチカネフクキタルも出走していた。
続く500万特別・千両賞は3着に敗れるも、年明け初戦の寒梅賞を後続に10馬身差をつける圧勝で2勝目を挙げた。
続くOP特別エルフィンSでは2番人気だったが、人気のホッコービューティを1/2馬身抑えて優勝。
その後は桜花賞TR・4歳牝馬特別に出走。1番人気に推されると、スピードの違いを見せつけ、2着シーズプリンセスに7馬身差をつける圧勝で、桜花賞の本命候補へと名乗りを上げた。
迎えた桜花賞では、3歳女王メジロドーベルとの初対決。ドーベルが前哨戦のチューリップ賞で3着に敗退していたこともあり、キョウエイマーチが単勝2.6倍の1番人気だった。
2番手につけたキョウエイマーチは直線で楽々と後続を突き放し、メジロドーベルに4馬身差をつけて圧勝。G1初制覇を遂げた。
続くオークスではそのスピード故に距離延長に対する不安もささやかれたが、2.2倍の1番人気。しかし、距離延長がプラスとみられたメジロドーベルが2.9倍の2番人気と僅差で続いた。
いつものように先手を取ったキョウエイマーチだったが、直線に入ると、失速。勝ったメジロドーベルから2.2秒離された11着に大敗した。
夏場を休養に充て、秋はローズSで始動。
春にNHKマイルCを制したシーキングザパールが圧倒的1番人気に支持され、キョウエイマーチは2番人気だった。
レースでは先手を取ったキョウエイマーチが休み明けながら直線も粘り、2着メイプルシロップに3/4馬身差をつけ逃げ切った。シーキングザパールは3着に敗退。
メジロドーベルと3度目の対決となった秋華賞。2番手からレースを進めたが、直線粘りきれず、メジロドーベルから2馬身半差の2着に敗れた。
次走は古馬初挑戦となったマイルCSで5番人気での出走。サイレンススズカとの競り合いでハイペースでの逃げとなったが、タイキシャトルの2着に好走した。なお、このレースの1番人気はスピードワールドだった(12着)。
その後挑んだスプリンターズSでは2番人気に支持されたが、11着に大敗し、4歳シーズンを終えた。
古馬となって初戦はマイラーズC。2番人気で3着ながら勝ち馬ビッグサンデーとは0.1秒差でまずまずの滑り出しを見せた。
続くシルクロードSでは1番人気に支持されたが、11着に大敗。
休養を挟み、秋はスワンSで始動。
2番人気6着に敗れると、前年2着に好走したマイルCSでは秋山騎手に乗り替わり。しかし、ここも6着に敗退する。
それでも1番人気に推された12月の阪神牝馬特別だったが、4着に敗れ、結局5歳シーズンは未勝利で終えた。
6歳となったキョウエイマーチはダートに活路を求め、フェブラリーSに出走。
デビュー3戦目の寒梅賞以来のダート戦ながら5番人気に支持された。ここでも先手を取り自分の形に持ち込んだが、直線粘りきれずに勝ったメイセイオペラから0.5秒差の5着に敗退する。
次走のマイラーズCを2着に好走すると、続く阪急杯でローズS以来1年7ヶ月ぶりとなる勝利を挙げた。
その後はG1高松宮記念、安田記念に出走するも4着、9着に終わる。
フェブラリーSでの5着好走もあり、秋は再度ダート戦・交流G1南部杯に出走し、2着に好走した。
その後は、3年連続の出走となったマイルCSで5着、スプリンターズSで13着に敗れた。
7歳となったキョウエイマーチだったが、現役を続行。
年明け初戦、京都金杯に3番人気で出走。2番手から直線後続を突き放し、アドマイヤカイザーに5馬身差をつける圧勝で重賞5勝目を挙げた。
次走、再度フェブラリーSでに挑戦するも11着に大敗すると、その後は交流G3黒船賞で3着、マイラーズCで6着に敗れ、現役を引退。繁殖牝馬となった。
■引退後
引退後はノーザンファーム早来で繁殖入り。
自身が脚元に不安を持って生まれたこともあり、産駒にもその傾向が見られ、順調に使われないケースが目立つ。
初仔のヴィートマルシェ、2番仔のヴィートヴァンクルは未勝利に終わったが、父スペシャルウィークのトライアンフマーチは現時点で重賞勝ちこそないものの、09年皐月賞2着、10年東京新聞杯、マイラーズC2着など重賞でも活躍。今年11月のOP特別パラダイスSも勝っている。
07年生れのインペリアルマーチ(牡・父ネオユニヴァース)もコツコツと勝利を積み重ね、今年11月の準オープン銀嶺Sを勝ち上がり現在5勝を挙げている。
トライアンフマーチ、インペリアルマーチと活躍馬を輩出しているキョウエイマーチだが、最後の仔・インペリアルマーチを出産した際に大腸変位のため死亡。
初子のヴィートマルシェがその血をつないでおり、その仔、グランマルシェは現3歳で2戦目で勝利を挙げている。
2011.12.31