あの馬は今!?


第136回タイキシャトル
■牡 1994/3/23生れ
■血統
父Devil'sBag
母ウェルシュマフィン(Caerleon)
藤沢和雄厩舎

■戦績
13戦11勝(うち海外1戦1勝)

※馬齢は旧表記です。

G1・5勝を挙げ、98年には外国産馬初のJRA年度代表馬に選出されたマイル王である。

当初3歳秋にデビューを見込んでいたが、脚元の負傷もあり初戦は4歳4月の未勝利戦となった。
ダート1600mに岡部騎手鞍上で出走。好位から直線抜け出すと2着馬に4馬身差をつけ優勝。初戦からレースセンスの高さを見せつける圧勝劇だった。

続く500万下(ダート1200)も好位から抜け出し2連勝とすると、3戦目で初の芝レースとなるOP特別・菖蒲S(芝1600)に出走。
好スタートから先手を取ると、2着シンコウスプレンダに1.3/4馬身差をつけ逃げ切り勝ち。デビュー以来無傷の3連勝を達成した。

4戦目のOP特別・菩提樹Sは単勝1.7倍の圧倒的1番人気に支持されたがテンザンストームの逃げをクビ差捕えることができず2着と不覚をとった。

5戦目は初重賞となるG3・ユニコーンS。
前走で初黒星を喫し、ショウナンナンバー、ワシントンカラーに次ぐ3番人気にとどまった。
先団につけると、直線鋭く抜け出し2着ワシントンカラーに2.1/2馬身差をつけ快勝。重賞初勝利を挙げた。

その後は引退まで芝のレースが使われる。
主戦の岡部騎手が春のスプリントG1・高松宮記念を制したシンコウキングに騎乗したためスワンS、次走マイルCSとの2戦は横山典騎手が騎乗した。
スワンSは2番人気だったが、好位からあっさり抜け出し1番人気スギノハヤカゼに3/4馬身差をつけ優勝した。

次走はG1初挑戦となったマイルCS。同じ4歳馬のスピードワールドが1番人気でタイキシャトルはまたも2番人気。好スタートから4番手につけると逃げ粘ったキョウエイマーチを直線半ばでとらえると、2馬身半差をつけ優勝。G1初制覇を飾った。

その後は当時暮れに行われていたスプリンターズSに向かう。
主戦の岡部騎手に手綱が戻り単勝1.9倍の1番人気で出走。いつものように好位に取り付くと、距離短縮も問題にせずあっさり抜け出し、2着スギノハヤカゼに1.3/4馬身差をつけ優勝した。

4歳シーズンは4戦目の菩提樹Sで2着に敗れたもののそれ以外のレースはすべて完勝で8戦7勝、重賞4勝、G1・2勝という素晴らしい成績を残した。
短距離馬として初の年度代表馬選出も期待されたが、牝馬ながら天皇賞・秋を制したエアグルーヴにその座はさらわれ、最優秀短距離馬のみにとどまった。

年が明け、古馬となったタイキシャトルは海外遠征を視野に入れられていた。
初戦の京王杯SCを単勝1.5倍の1番人気に応えて優勝すると、連闘で高松宮記念に出走するプランも浮上したが、結局ここは登録のみで見送られ、予定通り春の目標、安田記念へと向かった。
雨の降る不良馬場での一戦だったが単勝1.3倍の圧倒的1番人気に支持された。
レースは悪い馬場を問題にせず、いつものように好位から直線抜け出し、2着オリエンタルエクスプレスに2.1/2馬身差をつけ快勝。
国内に敵はおらず、その後は海外へと旅立つこととなる。

選択されたのは仏G1・ジャックルマロワ賞(芝1600)。
日本調教馬初の海外G1制覇の期待がかけられていたが、その快挙は前週のモーリスドゲス賞を制したシーキングザパールが一足先に達成する。
海外初レースとなったジャックルマロワ賞だったが、ここでもタイキシャトルは1番人気に支持された。
いつもより入れ込みが激しかったが2着アマングメンを1/2馬身差抑え込んで優勝。日本調教馬の2週連続G1制覇とともに自身初の海外G1タイトルを手に入れた。
悲願の海外G1勝利を達成した岡部騎手が表彰式で涙ぐむシーンが印象的であった。

その後は海外転戦も検討されたが、帰国しマイルCS連覇を狙うことになった。

凱旋レースとなったマイルCSも1.3倍の圧倒的1番人気で、注目はどんな勝ち方をするかであった。
好位3番手につけると、直線であっという間に抜け出し2着ビッグサンデーに5馬身差をつける圧勝で、期待以上の勝利をおさめた。

当初はマイルCSを最後に引退予定であったが、スプリンターズSに出走することになった。
単勝1.1倍と自身最高の支持を得ての出走。いつものように好位にとりつき、あとは直線抜け出すだけと思われたが、この日は反応が鈍い。
外に馬体を併せたマイネルラヴを交わせず、さらに外から追い込んだシーキングザパールにも差され3着に敗退。引退レースで、デビュー以来初めて連を外す結果となった。

それでもこの年はG1・3勝を挙げ、最優秀短距離馬、最優秀5歳以上牡馬、そして短距離馬としては初めて年度代表馬に選出された。

■引退後
引退後はイーストスタッドとアロースタッドを2年おきに移動する形で種牡馬となった。

初年度は110頭の繁殖を集め、その後も13年まで100頭前後と安定した人気を得ている。
初年度産駒は2002年にデビュー。
03年アーリントンCをウインクリューガーが勝ち、産駒の重賞初Vを飾ると、同馬はその後NHKマイルCを制覇しG1初勝利も挙げた。

2年目の産駒からもメイショウボーラーがフェブラリーSを制し、タイキシャトル同様に芝・ダート問わずに活躍馬を輩出した。
その他、2014年5月現在、重賞20勝を挙げている。
03年アーリントンC(ウインクリューガー)
03年NHKマイルC(ウインクリューガー)
03年小倉2歳S(メイショウボーラー)
03年デイリー杯2歳S(メイショウボーラー)
04年セントウルS(ゴールデンキャスト)
05年ガーネットS(メイショウボーラー)
05年根岸S(メイショウボーラー)
05年フェブラリーS(メイショウボーラー)
05年中山牝馬S(ウイングレット)
05年クリスタルc(ディープサマー)
05年アイビスSD(テイエムチュラサン)
05年セントウルS(ゴールデンキャスト)
07年マーメイドS(ディアチャンス)
08年ニュージーランドT(サトノプログレス)
10年東京新聞杯(レッドスパーダ)
10年小倉サマーJ(ランヘランバ)
10年京都ジャンプS(ランヘランバ)
11年フィリーズレビュー(フレンチカクタス)
13年関屋記念(レッドスパーダ)
14年京王杯SC(レッドスパーダ)

2014.6.17

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