週刊あの馬は今!?


第73回:トールポピー
■牡 2005/1/30生れ
■血統
父ジャングルポケット
母アドマイヤサンデー(サンデーサイレンス)
全兄フサイチホウオー(共同通信杯など)
全妹アヴェンチュラ(秋華賞など)
角居厩舎

■戦績
07年7月:阪神/新馬戦:2着
07年10月:京都/未勝利:1着
07年11月:京都/黄菊賞:2着
07年12月:阪神/阪神JF:1着
08年3月:阪神/チューリップ賞:2着
08年4月:阪神/桜花賞:8着
08年5月:東京/オークス:1着
08年9月:阪神/ローズS:6着
08年10月:京都/秋華賞:10着
09年3月:中山/中山牝馬S:10着
09年10月:東京/府中牝馬S:12着
09年12月:中山/ターコイズS:12着
09年12月:中京/愛知杯:16着
10年4月:阪神/阪神牝馬S:17着

通算14戦3勝(重賞2勝)

全兄に共同通信杯など重賞3勝のフサイチホウオー、全妹に今年の秋華賞を制したアヴェンチュラがいる血統。

フサイチホウオーの全妹という血統で注目を集めたトールポピー。デビューは早く7月の阪神開催。
池添騎手鞍上で芝1800mに2番人気で出走するもスタートでやや後手を踏み勝ったアーネストリーから2馬身差の2着に敗れる。
このレースには後の皐月賞馬キャプテントゥーレも出走しており(8着)、アーネストリー(宝塚記念)と含め3頭のG1ホースが出走していたことになる。なお、3着のドリームシグナルもその後シンザン記念を勝っている。

レース後は放牧へ出され、2戦目は3ヶ月半開けた京都開催の芝2000m未勝利戦。
重馬場でのレースになったが、好位から抜け出し、シャイニングデイの追撃をハナ差退け優勝。2戦目で勝ち上がった。

続く500万特別・黄菊賞ではヤマニンキングリーとの競り合いにクビ差及ばず2着に敗退。

賞金加算ができず、阪神JFは抽選対象となったが、6/16の抽選をクリア。オディール、エイムアットビップに次ぐ3番人気に推されると、中団から抜け出し、追い込んだレーヴダムールの追撃をクビ差抑えて優勝。2勝目をG1制覇で飾った。
黄菊賞2着からの阪神JF制覇は前年の同厩ウオッカと同じローテーションだった。

主役として迎え撃つ立場になったトールポピー。
3歳初戦はチューリップ賞。単勝2.2倍の1番人気に推されるも、逃げたエアパスカルをハナ差捕らえ切れず2着に敗れた。

それでも本番の桜花賞では1番人気。いつもよりやや後方からレースを進めるが、直線伸びを欠き8着に敗退する。

次走のオークスでは春2戦での敗退、兄フサイチホウオーのダービー以降の成績不振も手伝い、4番人気と株を落としていた。
しかし、レースでは中団から直線で狭いところを割って抜け出すと、エフティマイアとの接戦をアタマ差制して1着で入線。
直線の進路のとり方で審議対象となったが、到達順位の通り確定。見事に桜花賞8着から巻き返し、G1・2勝目を挙げた。
なお、この際の審議で「継続的かつ修正動作のない危険な騎乗」により騎乗した池添騎手は開催2日間の騎乗停止処分となった。降着のない騎乗停止処分は前例が少なく、グレーな審議内容が波紋を呼んだ。

その後はアメリカンオークスへの出走プランもあったが、疲れが抜け切らず放牧へ出され、秋は秋華賞を目指すことになった。

前哨戦のローズSでマイネレーツェルの6着に敗れたが、秋華賞では一叩きされた効果が期待され1番人気に推された。
しかし、中団から直線伸びを欠き10着に大敗。

その後は予定していたエリザベス女王杯を鼻出血で回避し、休養に入った。

古馬となっての始動戦は中山牝馬S。+14キロの馬体重。3番人気だったが、中団から見せ場なく10着に敗退。

その後、春は休養のため放牧へ。
秋の府中牝馬Sで復帰するも5番人気12着に敗退。

G1・エリザベス女王杯を見送り、出走したオープン特別・ターコイズSでも5番人気12着に敗退してしまう。

さらに中1週で挑んだ愛知杯では12番人気と評価を落とし勝ち馬から1.6秒差の16着に惨敗する。

古馬になり完全に勢いをなくしたトールポピー。復活を期すべく放牧でリフレッシュを図られるも、5歳初戦の阪神牝馬Sで12番人気17着に大敗。

覇気の見られなくなったトールポピー。レース翌日に現役引退が発表された。

■引退後
引退後はノーザンファームで繁殖入り。
フサイチホウオー、アヴェンチュラと兄妹の活躍もあり、繁殖馬としての期待が高いトールポピー。母アドマイヤサンデーも重賞勝ちこそなかったものの、大物感ある走りだった。

初年度はミスタープロスペクター系種牡馬キングカメハメハが種付けされ、翌11年3月に牝馬を出産している。

2011.12.6