★夏競馬を締めくくる新潟記念(G3・芝2000)が新潟競馬場で行われる。
出展:jra.go.jp
2010年、2011年の新潟記念を連覇したナリタクリスタル。
2006年生まれで父スペシャルウィークの牡馬がナリタクリスタルだ。栗東・木原一良厩舎から09年1月にデビュー。8歳の新潟記念10着まで長い期間中距離路線で活躍した。もっとも6歳以降は苦戦続きであったのだが。
新潟記念連覇以外にも2011年中京記念(当時は芝2000m)も勝っており通算8勝を挙げた。
重賞3勝を挙げる活躍馬であったことは間違いないが、それ以上に記憶に残る馬であったのはその鞍上にあったのかもしれない。
低迷期の武豊騎手を支えた?
ナリタクリスタルがもっとも活躍したのは2010年(4歳時)と2011年(5歳時)。
4歳初戦の小倉大賞典で2着に入ると、同年8月の新潟記念を幸騎手とのコンビで制し重賞初制覇を飾った。
5歳になって中京記念を武豊騎手とのコンビで制し重賞2勝目。さらに新潟記念も武豊騎手で勝ち連覇を達成した。
JRA重賞300勝に王手をかけている武豊騎手の実績からすればそれほど取り立てることでもないが、この2010年、2011年は怪我の影響で勝ち星が激減する苦境の時期だった。
武豊騎手勝ち星の推移
2009年:140勝
2010年:69勝
2011年:64勝
2012年:56勝
勝てないため有力馬も回ってこないという負のスパイラルに陥っていたとき、ファンに希望を与えてくれた馬の一頭がナリタクリスタルであったと思う。
2010年、2011年の2年間の有力お手馬を見るとこんな感じ。(芝の中距離)
ローズキングダム、ダノンバラード、リーチザクラウン、ショウナンマイティ、トレイルブレイザー、スマートギア
全盛期を知っているファンからすれば非常に歯がゆい思いをしていただろう。
G1での騎乗馬確保も厳しい時期だったが、2011年には天皇賞・秋にも出走した。
正直G1では厳しいだろうと思いながらもナリタクリスタルと武豊騎手のコンビならもしかすると…。そんな淡い期待を持たせてくれた思い出深いコンビで、この時期になると思い出す1頭だ。※実際には13番人気7着。
引退後は思い出の地、新潟競馬場で乗馬となったナリタクリスタル。願わくば新潟記念の誘導馬になってもらいたいものだが果たして。